赤ちゃんが巨大児?!肩甲難産とは?どんな状態になるの?対処法!

妊娠中は無事に出産を終えたいと思い、不安な気持ちが大きくなったり心配になることがありますよね。
無事な分娩を祈るばかりです。
しかし、分娩時に様々なトラブルが起こる可能性があります。
その中の一つに肩甲難産というものがあるのです。
そこで今回は肩甲難産について詳しくご紹介していきたいと思います。
目次
肩甲難産とは?
肩甲難産は分娩の途中で赤ちゃんの肩がひっかかってしまうことにより、分娩がスムーズにいきません。
通常の分娩の場合は赤ちゃんの頭が出てくると軽く引っ張ってあげるだけで、スムーズにでてきます。
しかし、赤ちゃんの肩がママの骨盤の一部に引っかかってしまうことにより、軽く引っ張ってあげても赤ちゃんがなかなか出てきてくれなくなってしまいます。
赤ちゃんが巨大児だと肩甲難産に?
分娩時に肩甲難産になってしまう原因は色々なものがあります。
その中でも赤ちゃんが巨大児の場合、体重が4000g以上ある場合、肩甲難産になりやすいと言われています。
その他、肩甲難産になりやすい要因を挙げていきますね。
巨大児
巨大児とは、4000g以上の赤ちゃんです。
巨大児になると、肩甲難産を含む難産になりやすくなったり、様々なリスクを伴います。
巨大児は、対称性巨大児と非対称性巨大児という2種類があり、原因もそれぞれ違います。
出生体重が多いこと以外には問題はない状態で、片親又は両親の身長が高いという場合は、遺伝的に巨大児になることもあります。
糖代謝異常
糖代謝異常により糖尿病等を患っている場合、赤ちゃんが巨大児になりやすく、肩甲難産になりやすい要因となります。
妊娠糖尿病・糖尿病合併妊娠により巨大児になってしまう頻度は7.1%だと言われています。
母体が高血糖であると、胎盤を通して胎児も高血糖になってしまうため、血糖値を下げようとすると、インスリンというホルモンが大量に分泌されてしまい、インスリン分泌量増加が起こり、赤ちゃんが巨大児になってしまうと言われています。
非対称性巨大児に分類されます。
肥満
ママが太りすぎてしまっていると、赤ちゃんは巨大児になりやすい傾向があります。
妊娠中に体重の増加量が多い、分娩直前の体重と妊娠前の体重が巨大児になるか、肩甲難産を引き起こすかに大きく関係します。
経産婦
経産婦だと、3、4%の確率で巨大児となります。
初産婦が巨大児を出産する確率の2倍にも相当する確率となります。
妊娠期間
妊娠期間が長いと、巨大児となってしまう可能性が高いと言えます。
妊娠42週目以降に出産する場合、初産婦だと約4%、経産婦の場合は約10%が巨大児となります。
赤ちゃんが男の子の場合
赤ちゃんが男の子の場合、3分の2の割合で巨大児となり、肩甲難産の要因となります。
ママの身長
ママの身長が150cm以下で小さい場合は肩甲難産になりやすい要因となります。
高齢出産
高齢出産の場合も、肩甲難産になりやすい傾向があります。
肩甲難産による赤ちゃんへの影響は?
肩甲難産による赤ちゃんへの影響としては、鎖骨の周囲が圧迫されるため、上腕鎖骨骨折が起こることがあります。
また、首の周辺の神経が圧迫されてしまうことにより、腕の神経麻痺が起こります。
酸素不足により脳に障害が残る低酸素虚血性脳症が起こる可能性も考えられます。
肩甲難産によるママへの影響は?
肩甲難産によるママへの影響としては
- 産道裂傷
- 膀胱麻痺
- 子宮破裂
- 尿道損傷
- 産後の弛緩出血
があげられます。
肩甲難産の場合、後遺症は残るの?
肩甲難産の場合、赤ちゃんに後遺症が残ってしまうことがあります。
巨大児で肩甲難産となった場合、約15~30%の割合で腕神経叢麻痺というものが起こります。
末端神経の麻痺の一つです、
20%から30%の割合で一生麻痺が残ります。
しかし、70~80%の割合で、腕神経叢麻痺になってしまっても、数ヶ月から1年ほどで症状が軽くなったり、完治することがあります。
肩甲難産になる確率は…?
肩甲難産はさほど頻繁に起こるものではありません、
巨大児が生まれる割合としては全体の2%ほどです。
そのうちの5%から15%の確率で肩甲難産が起こるといわれています。
肩甲難産の多くの場合は、事前に起こるかどうかを知ることは難しいものです。
一般的に超音波検査により赤ちゃんの大きさを予測しますが、日本産婦人科学会のデータによると、超音波検査により体重を推定し、巨大児であるということを判斷する陽性的中率は17~79%でした。
超音波検査により巨大児であると判斷された2割から8割は巨大児ではないという結果になるのですね。
巨大児かもしれないと医師に言われても、実際に分娩が開始し、生まれてみないとわかりません。
巨大児かもと言われても、あまり不安にならず、リラックスした気持ちで出産に望みたいですね。
肩甲難産への対処法!
肩甲難産への対処法としては、肩甲難産になった場合、赤ちゃんの口の中や鼻の中を分娩し気道を確保します。
膣内に指を入れて、へその緒が首に巻き付かないようにしたり、奇形がないかどうか確認します。
そのまま分娩を続けても大丈夫だと判斷できたら、会陰切開を行い、肩がでてくるように赤ちゃんが動かされます。
稀に状況により、赤ちゃんを子宮に一度戻し、緊急帝王切開が行なわれます。
肩甲難産で緊急帝王切開になる場合も…?
肩甲難産になり、赤ちゃんが巨大児、ママの骨盤が狭いなどという場合、緊急帝王切開になる場合もあります。
また、赤ちゃんが巨大児である、ママの骨盤が狭いなどということが予めわかっている場合は、帝王切開を事前に検討され予定されることもあります。
肩甲難産を防ぐために…巨大児予防法!
肩甲難産を防ぐためには、巨大児にならないように予防することが大切です。
巨大児を予防するためには、適度に体重が増えないように管理する必要があります。
まずは、妊娠糖尿病を防ぐために、栄養バランスの良い食事、カロリーを気にした食事を摂取することが大切です。
すでに体重がかなり増加してしまっている、血糖値が高いという場合は、医師の指示に従い、血糖値のコントロールをする必要があります。
血糖値のコントロールのためには、食生活の改善、運動対策などが行なわれます。
食生活を見直し、適度な運動を取り入れることで、巨大児をある程度予防することが可能です。
肩甲難産以外の難産とは?
肩甲難産以外にも難産になりやすいものが色々あります。
その中でも起こることが多い有名な難産をご紹介しますね。
児頭骨盤不均衡
児頭骨盤不均衡は、赤ちゃんの頭の大きさに比べ、ママの骨盤が小さく狭い状態を指します。
放置してしまうと、遷延分娩になってしまうため、帝王切開などが行なわれます。
遷延分娩
遷延分娩は初産婦の場合は分娩が始まり30時間、経産婦の場合は分娩が始まり15時間経過したのち、分娩が終わっていない状況のことをさします。
赤ちゃんの体にも悪影響が及んでしまうため、緊急帝王切開が行なわれます。
まとめ
赤ちゃんが巨大児になると、肩甲難産になりやすくなってしまいます。
巨大児になりやすい要因を知り、正しく予防することで、適度な大きさの赤ちゃんとなり肩甲難産を防ぐことができます。
もちろん遺伝により巨大児になってしまうということもありますが、その場合も適切な分娩方法により生まれれば、赤ちゃんは元気なので心配いりません。
糖尿病だと診断された場合は、難産を防ぐためにも、しっかりと血糖コントロールを行いましょう。
健康に気遣いながら、母子ともに健康で終える分娩にしたいですね!