血液型不適合妊娠の検査方法やリスクとは?!2人目以降の妊娠に多い?!

親と子供の血液型の違いがあると、様々な影響を受ける場合があります。
母体と胎児の血液型の違いがあると、血液型不適合妊娠となります。
場合によっては胎児、新生児、重度の疾患が引き起こる場合があります。
血液型不適合妊娠について、起こりうる症状やリスク、検査方法や治療方法、2人目以降に起こりやすいというのは本当なのかなど詳しくご紹介していきたいと思います。
目次
血液型不適合妊娠とは?
母体の中にはない血液型の抗原が胎児の中にある状態を、血液型不適合妊娠といいます。
O型の女性のお腹の中に、A 型やB型の胎児が居る場合、Rh-の人のお腹の中にRh +の胎児がいる場合などが当てはまります。
Rh 型の血液型不適合妊娠の場合は、胎児の赤血球が破壊されてしまうため、貧血が起こったり、黄疸が出たりします。
正しく検査し必要な場合は治療を行なう必要があります。
血液型不適合妊娠の種類
血液型不適合妊娠にはいくつかの種類があります。
Rh型血液型不適合妊娠
Rh-の女性がRh+の赤ちゃんを妊娠すると、Rh型血液型不適合妊娠となります。
配偶者がRh+の場合、赤ちゃんもRh +となるため、Rh型血液型不適合妊娠となる可能性が高いと考えられます。
早めの検査が必要です。
Rh+と-は、血液中にD抗原という物質があるのかないのかにより決まります。
胎児にD抗原があるのにもかかわらず、母体にはないという場合は、胎児がもつ
D抗原が母体に入ることにより、母体の中でD抗原に対し、抗D抗原ができてしまい、D抗原と抗D抗原が免疫反応を起こし、胎児の赤血球が破壊されます。
日本では血液型不適合妊娠の中で、一番多くおこる種類がRh型血液型不適合妊娠となります。
胎児や新生児に重度の症状が起こってしまうため、十分な注意が必要となります。
とくに2人目以降の妊娠でおこることが多い傾向があります。
1人目の妊娠で症状が起こらなかった場合でも、次の妊娠で注意する必要があるのです。
ABO式血液型不適合妊娠
ABO式血液型不適合妊娠は、O型の女性がAまたはB型の赤ちゃんを妊娠した場合におこる可能性があります。
初めての妊娠の時から起こることが多いものの、胎児の貧血の程度は軽いため、ほぼ無症状となります。
症状がおこる場合は、胎児の皮膚に光をあてることで、黄疸が出てしまう原因となるビルピンっというものを体外に排出させる治療が行なわれます。
また、新生児の血液を取り替えるために、交換輸血が行われる場合もあります。
血液型不適合妊娠の症状やリスク
では、血液型不適合妊娠の場合に起こりうる症状やリスクについてご紹介しますね。
溶血液性貧血
胎児の赤血球が破壊されてしまうため、胎児は貧血状態となります。
溶血性貧血が起こってしまうと、胎児の体の全身が酸素不足となります。
酸素を補うために、心臓が過剰に活動してしまうため、心不全となってしまうこともあるというリスクがあります。
免疫胎児水腫
胎児が溶血性貧血になり悪化すると、免疫性胎児水腫という状態になってしまうことがあります。
貧血を補うためには、肝臓で血液を作るため、肝臓に水が溜まってしまい、皮下、胸、お腹にまで水が溜まってしまるリスクがあります。
黄疸
血液型不適合妊娠の症状としては、出生後におこることもあります。
新生児に見られる代表的な症状としては、黄疸があげられます。
新生児の赤血球が破壊されてしまうと、ビリルビンという物質がうまれます。
すると新生児の肝臓は未熟であるため、すばやくビルビリンを分解処理することが出来ません。
体内のビルビリン数値が高くなると、抗ビルビリン血症となり、目の結膜、皮膚が黄色に経かします。
ビルビリン脳症
高ビルビリン血症になり、悪化してしまうと、ビルビリンが脳に沈着します。
すると中枢神経に障害が起こります。
初期症状としては、意識障害、おっぱいに吸い付く力の弱まり、筋肉のゆるみなどが見られ、進行すると発熱や痙攣が見られます。
治療が遅れてしまった場合、脳性麻痺、聴覚障害、精神の成長の遅れなどの障害が残るリスクがあります。
新生児の黄疸は早めにただし治療が必要です。
ビルビリン脳症が進行してしまうケースは少ないものの、ビルビリン脳症を防ぐためにも早期治療がとても大切です。
血液型不適合妊娠は2人目以降の妊娠で起こりやすい?!
妊娠の回数を重ねるごとに…
血液型不適合妊娠の中でも、Rh型血液型不適合妊娠の場合は2人目以降の妊娠に対して特に注意が必要となります。
初回の妊娠の場合、出生時の出血などにより胎児のD抗原が体内に入るため、D抗原に対する抗D抗原が作られます
D抗原を記憶すると、次回妊娠に胎児のD抗原に対し、抗D抗原が免疫反応を起こしてしまうため、症状が起こりやすくなります。
妊娠の回数を重ねれば重ねるほどおこる可能性は高まりますね。
2人目の血液型不適合妊娠は予防は必要
2人目以降の血液型不適合妊娠は起こりやすくなってしまうため、予防をすることが大切です。
初回の妊娠の場合は抗原と抗体の反応が起こらない場合でも、2回目以降の妊娠で反応が起こってしまうことがあるため、予防をする必要があります。
母体がRh-であり、初回妊娠時にRh +の赤ちゃんが生まれたという場合は、分娩後72時間以内に、母体に対し、抗ヒト免疫グロブリンというものを投与します。
すると次回妊娠時の血液型不適合妊娠を予防することができます。
血液型不適合妊娠の検査方法!
COOMBS試験
妊婦がRh-、配偶者がRh +の場合、母体の血液中に抗赤血球抗体があるかどうかを調べるための、COOMBS試験という検査が行なわれます。
この検査により胎児に症状がおこるかどうかのリスクを判斷することができます。
Rh型の血液型不適合妊娠の場合、母体の血清の中にあるD抗体を調べるための間接COOMBS試験が行なわれます。
抗D抗体が存在した場合、血液型不適合妊娠が疑わるため、胎児の貧血の程度が検査されます。
超音波検査
胎児の貧血や水腫の状態を調べるために、超音波検査が行なわれます。
皮下、胸、お腹に水が溜まっていないか、羊水の量が多すぎたり少なすぎたりしていないか、場合によっては免疫性水腫が疑われることとなります。
血流の速度を計測することにより、胎児が貧血か否かを判斷します。
血液型不適合妊娠の治療方法
経過観察
検査の結果、胎児の貧血の程度が軽い場合は、出産までの間、経過観察となります。
次回の妊娠で血液型不適合妊娠がおこるリスクがある場合は、分娩より72時間以内に抗Dヒト免疫グロブリンが投与されます。
血漿交換
母体の血液の中にある血症を交換することにより、抗体を除去するという治療方法もあります
胎児の赤血球が破壊されないように、母体から抗体を減らすことにより、胎児に抗体が移らないようにします。
子宮内胎児輸血
妊娠34週目未満で貧血が認められた場合、出産予定日ではない場合でも分娩し、体外で治療が行なわれます。
新生児の血液交換を行なう交換輸血により、高ビリルビン血症が悪化しないように治療します。
まとめ
血液型不適合妊娠は2人目で起こることが多いです。
一人目の出産時に予防処置を行なうことにより、二人目以降の発症を防ぐことができます。
血液型不適合妊娠の場合、重症だと治療を受ける必要がありますが、正しい治療を適切に受けることにより、障害などを防ぐことができます。
医師と家族とともに、正しい治療に努めましょう!