母乳過多で赤ちゃんが上手におっぱいを飲めない?母乳の出が良すぎるときの対処法!

母乳育児には様々な悩みやトラブルがつきものですね。
母乳過多(母乳分泌過多症)の場合、母乳不足よりも周囲に悩みを理解してもらえないことが多いですね。
母乳が出すぎてしまい苦労します
母乳が出すぎてしまうと、赤ちゃんも上手におっぱいを飲むことができません。
そこで今回は母乳過多の原因や対処法、気をつけるべきポイントについてご紹介していきますね。
目次
母乳過多(母乳分泌過多症)とは?
母乳過多(母乳分泌過多症)は、簡単だと赤ちゃんが飲む母乳の量に対して母乳の分泌量が多すぎてしまいます。
母乳が作られるなら出ないよりマシだろうなどと思われてしまうことがありますが、母乳過多の場合、おっぱいに痛みを感じたり、乳腺炎が起きたり、様々なトラブルの原因となってしまます。
赤ちゃんにとってもあまり良いことではありません。
母乳過多で悩む場合は原因をよく知り対処していく必要がありますね。
母乳過多の原因は?
授乳のタイミングが合わない
まずは授乳のタイミングが合わないのが原因として挙げられます。
入院中に授乳をする際、時計を測りながら左右交互に与えるようにと指導されます。
両方のおっぱいにたまっていた母乳が短時間で空になってしまうと、体内で新しい母乳を急いで作ろうとします。
しかし赤ちゃんは十分な量を飲んでいるため、母乳はあんまり母乳過多となってしまいます。
赤ちゃんが上手に飲めていない
新生児の間は特に、おっぱいの飲み方になれていないため、上手に飲めない事が多くなります。
赤ちゃんがおっぱいを吸うとき、乳頭に刺激が及び、ママの身体は母乳を生成します。
しかし、母乳がしっかりと飲めていないのに、新しい母乳を作り出そうとするため、母乳過多となっしまうのですね。
赤ちゃんが飲みやすい姿勢、抱き方などを工夫してみましょう。
搾乳
母乳過多になると、おっぱいが張るため、搾乳を行なうママが多いですね。
しかし、搾乳を行なうことにより、おっぱいが空になると、母乳の生成を更に促します。
おっぱいの張りを和らげるためには、ガス抜き程度にして、搾乳をしすぎないようにしましょう。
高プロラクチン血症
母乳過多の原因として、高プロラクチン血症というものが挙げられます。
プロラクチンとは、脳の直下にある脳下垂下という場所からホルモンが分泌され子宮の回復を促します。
母乳を分泌してくれたり、産後のママに欠かすことができない働きを担います。
しかし、血液中のプロラクチン濃度が高すぎてしまうと、母乳過多などの症状が起こります。
高プロラクチン血症の原因は以下のことが考えられます。
- 脳下垂体の腫瘍
- 視床下部の障害
- 甲状腺機能の低下
- 薬の服用
- 慢性腎不全
様々な原因により高プロラクチン血症が起こることがあるので、心当たりがある場合は、かかりつけの病院に受診しましょう。
母乳過多の問題点とは…
母乳が出るなら出ないよりもよいのでは?!と思われがちですが、以下のような問題があります。
乳腺炎などのトラブル
母乳過多であることで、おっぱいには様々なトラブルが起こりやすくなります。
代表的なものとしては、以下のものが挙げられます。
- 白斑
まずは白斑です。
乳頭にできるちいさなものを指します。
母乳の飲み残しや脂肪分が母乳の出口の乳口を塞いでしまうとできます。
白斑ができた場合、強い痛みを感じ、授乳が苦痛と感じることもあります。
症状が悪化してしまうと、乳腺炎に繋がります。
- 急性うっ帯性乳腺炎
母乳過多の場合、おっぱいの飲み残しなどにより母乳がたまり、急性うっ帯性乳腺炎のリスクが高まります。
急性うっ帯性乳腺炎により、たまった母乳が乳口や乳管をつまらせてしまい、乳腺に炎症が起こり、おっぱいに強い痛みを感じ高熱が出てしまうことがあります。
- 化膿性乳腺炎
母乳過多により赤ちゃんがおっぱいを飲みにくく、浅く加えたりして飲むことで、乳頭が傷つくことがあります。
すると化膿性乳腺炎という傷口から雑菌が入り、おっぱいの中で炎症が起こります。
おっぱいに起こる痛み、発熱、母乳に血液や膿が混ざるなどという症状が起こります。
赤ちゃんが吐く・むせる
母乳過多となると、母乳が出る勢いが強く、赤ちゃんがむせてしまったり、むせた影響で吐いてしまうことがあります。
赤ちゃんの満腹中枢は未発達なので、お腹がいっぱいになったとしても、おっぱいが近づいて来ると反射的に吸ってしまいます。
実際はお腹が一杯なので、むせたりすると吐いてしまうのですね。
機嫌が悪くなる
赤ちゃんの機嫌が悪くなる原因の一つでもあります。
母乳過多の症状を和らげるためにと、赤ちゃんへの授乳の回数を増やすと、赤ちゃんが母乳の飲み過ぎで過飲症候群になってしまうことがあります。
過飲症候群となると、赤ちゃんのお腹が張ったり、嘔吐をしたり機嫌が悪くなります。
母乳は授乳の途中で成分が変わります。
前乳と後乳と呼び、前乳は水分量が多く、後乳は脂肪分が多くなります。
交互に飲ませた場合、水分量が多い母乳ばかりを飲んでしまうことになるため、赤ちゃんはカロリーの高い後乳を飲むことができなくなってしまいます。
すると赤ちゃんは過剰に母乳を欲しがり、母乳の生成は更に促され、母乳過多にとって悪循環が産まれますね。
母乳過多で赤ちゃんの体重が増えないこともある?!
母乳過多なら母乳が出すぎているのだから、赤ちゃんの体重は順調に増えるだろうと思われがちですね。
しかし、赤ちゃんの体重が増えないこともあります。
母乳過多の状態だと、おっぱいが張るため、固くなってしまい飲みにくくなってしまいます。
そのため赤ちゃんが栄養を十分に摂取することができる、体重が増えないという状態に’陥ってしまうことがあるのですね。
母乳過多への対処法!
では母乳過多の場合対処法としてどのような方法が有効なのでしょうか。
授乳前の搾乳
まずは授乳前に軽く搾乳することをおすすめします。
おっぱいが張ったままの状態で母乳を与えてしまうと、おっぱいが固くなってしまうため、母乳が飲みにくくなります。
授乳前に軽くマッサージを行い、搾乳することにより、赤ちゃんがおっぱいを飲みやすくなります。
搾乳をしすぎてしまうと、母乳過多を助長してしまうため、勢いを和らげる程度の軽い搾乳をしましょう。
おっぱいの飲ませ方を改善
赤ちゃんはおっぱいを吸う刺激が及ぶと、母乳はどんどん生産されます。
しかし、赤ちゃんが母乳を飲むことができないと母乳過多が進行します。
症状が悪化する前に、上手に母乳を飲めるようにすることが大切です。
- 浅い飲み方になっていないか
- 首はよじれていないか
- 身体がよじれていないか
- 顔や鼻が圧迫されていないか
等を確認しましょう。
また、いつも同じ抱き方で授乳をしていると、同じ乳腺のみが使用されてしまうため、他の乳腺が詰まりやすくなってしまったり、負担が同じ所にかかり傷ができてしまったりします。
抱き方にも色々な方法があるので、抱き方を替えた授乳も行いましょう。
- 横抱き
基本の授乳体勢ですね。
両腕で抱っこした状態で授乳します。
- 縦抱き
縦に抱っこした状態で授乳します。
首をしっかりと支えましょう。
- フットボール抱き
赤ちゃんの脇をかかえるように授乳します。
授乳クッションがあると、安定しやすいのでおすすめです。
- 添い乳
ママが添い寝をした状態で授乳する方法となります。
窒息の恐れや赤ちゃんがゲップできないなどというデメリットもあります。
飲み方が浅いと乳腺炎になりやすくなります。
母乳過多の場合はあまりおすすめできません。
搾乳しすぎない
おっぱいの張りを和らげるためにと搾乳してしまうと、更に母乳の生産量が増えてしまうため、逆効果となります。
少しは軽くなったかな?!と感じる程度で搾乳はやめましょう。
強い力で搾乳してしまうと、繊細乳腺組織を傷つけてしまうことになるため、乳腺炎などのトラブルが起こりやすくなってしまいます。
あわてずにゆっくりと搾乳しましょう。
片側授乳を試す
両方のおっぱいから交互に授乳をする方法だと、乳腺炎のリスクが軽減するということで推奨されています。
しかし、両方のおっぱいからの母乳がなくなってしまうため、急いで母乳が生産され、より母乳過多となってしまうことがあります。
また、高カロリーで腹持ちが良い授乳の場合、赤ちゃんが満足できずに過飲症候群になってしまうこともあります。
片方のおっぱいでだけ授乳する片側授乳の場合は、母乳の分泌を抑える効果が期待されています。
数日行なうと母乳の生産量が落ち着きます。
疲れをためない・十分な睡眠
出産によりママの身体には大きな負担が及びます
産後のママは赤ちゃんのお世話をする必要があるため、体力を消耗し精神的な負担を感じることもあります。
母乳過多になると、搾乳や授乳の時間が長くなるため、おっぱいが痛みゆっくりと眠れなくなってしまうこともあります。
夜中に授乳や搾乳をするとより睡眠時間が短くなってしまいます。
授乳以外のお世話はできるだけ周囲の人にも協力してもらいながら、ママはゆっくりと休みましょう。
まとめ
母乳過多の悩みは周囲の人に理解されにくいトラブルとなります。
ひとりで悩まずに様々な方法で試しても改善できないような場合は、母乳外来を受診してみましょう。
専門家に見てもらい、苦痛に感じることなく幸せな授乳時間をすごせますように。