絵本の読み聞かせ!子供にとってたくさんの効果がある!

子どもが生まれると、絵本を読んであげる機会が増えますね。
絵本は子どもに良い、というのはなんとなく聞いたことがあって誰しも知っているものですが、読み聞かせをしてあげることで得られる具体的な効果については、よく知らないという方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな読み聞かせについて、読み聞かせをしてあげたい年齢、期待できる効果や読むときのポイントについてご紹介します。
言葉は耳から!聞く力を育てる!
字が読めるようになったら読み聞かせではなく、子ども自身に読ませるという家庭が多いかもしれませんね。
けれども子どものうち、特に幼児期に関しては、言葉はまず耳から聞くのが大切だといわれています。
言葉は耳から覚えるものです。
そのため、“読む”“話す”“聞く”“書く”といった言葉の学習において、一番早く発達するのは“聞く”力です。
小さいうちからたくさんの言葉を聞かせてもらうと、言葉の発達が早く、表現力の豊かな子に育ちます。
読み聞かせはいつまで?終わりはない?
子どもは大きくなるにつれて、ひとりで絵本を読むことが増えていきますね。
だからと言って、読み聞かせを止める必要はありません。
むしろ大きくなっても読み聞かせは続けてあげたいものです。
お子さんがひとりで読んでいても想像しながら読むことはできますが、言葉を読みながら同時に想像するというのは、子どもにとっては少し難しい作業です。
しかし、読み聞かせだと、子どもは耳から入ってくる内容に集中できるため、自分で読むよりずっと広い視野、視点で想像する力を引き出すことができるのです。
こうして培われた想像力は子どもが成長していくときにも必ず役立つものとなります。
読み聞かせの効果
知性と能力を伸ばす
絵本を読み聞かせること自体が、子どもの知性に直接働きかける行為になります。
知性や能力を伸ばすためにと、読解力を必要とする内容だったり、文学的な内容である必要はありません。
子供が喜んで聞くことのできる絵本であれば、どんな絵本であっても子どもの知性を伸ばす効果を持っています。
コミュニケーションタイム
絵本を読み聞かせるとき、ママやパパと子供の距離はとても近いですね。
この近い距離で読み聞かせることがスキンシップになって、子どもの精神的な安定につながりますし、愛情ホルモンの分泌も活発になり、親子の絆も増していきます。
読み聞かせをするというコミュニケーションタイムにより、子どもは言葉の数が増え、自分で物事を考える幅が広がったり、気持ちを落ち着けることが出来ます。
また絵本の中の人物や動物などを通して、実際に経験しなくても、
- 「こんなときにはこうしたら良いんだな」
- 「こうするとうれしい気持ちになるなあ」
- 「こんなふうに言われたら悲しいな」
など知ることができ、絵本の文中のやりとりからもいろいろな考え方に触れることが出来ます。
子ども自身のコミュニケーション能力も上がりますね。
理解力・想像力がつく
読み聞かせにより絵本の絵を見ながらお話を耳から聞くことで、登場人物についてたくさん想像を膨らませ、ストーリーを理解していくことが出来ます。
絵本は簡潔な言葉や分かりやすい挿絵で描かれているものが多いですね。
それが子どもの自由な想像力を伸ばしていくのにとっても良いんです。
予想と違うこともあるかもしれませんが、それはそれで絵本の続きを自分で考えてみたり、もし○○だったら…という空想にもつながります。
そのようにして読み聞かせによって向上した理解力や想像力、また発想力は、知的好奇心を育て、後の学習意欲の源になっていきます。
子供の感情が豊かになる
親子のスキンシップを伴った読み聞かせにより、情緒の発達にも効果が期待できます。
絵本から嬉しい、悲しい、怖い、楽しいといった様々な気持ちを読み取れるようになっていき、子ども自身の感情を豊かにしていくことができます。
また感情が豊かになることは心の成長にもつながります。
集中力がつく
ママやパパが読み聞かせをしている間子どもはお話に集中しているので、短い絵本でも少なくとも5分10分の集中力を育てていることになります。
最初はその時間すらしっかり聞いていることが出来ないお子さんもいるかもしれませんが、何度も読み聞かせを繰り返すうち、少しずつ集中できる時間も長くなり、もっと長い絵本にチャレンジすることもできるようになります。
集中力があまりなかった子も、読み聞かせによって集中力をつけることが出来ます。
はじめは子どもの好きなものが書いてある内容の絵本を選んで、集中力がついてき始めたらほかの内容にも少しずつ触れさせていきましょう。
語彙力を増やす
読み聞かせによって子どもは色々な言葉に触れ、その意味を知り、その言葉を使って会話をするようになります。
そうやって、子どもは新しい言葉をどんどん自分のものにしていきます。
小さい子供のうちから語彙を増やす習慣をつけることで、後に文章を理解する力が必要になった時など学習に大いに役立ちます。
絵本の読み聞かせで育つのは語彙力だけでなく、言葉の音やリズム、繰り返しの面白さ、関連する言葉や反対の言葉、似ている言葉、言葉が発せられるシチュエーションなど、自然とたくさん身に着けていくことになります。
本好きな子どもに育つ
小さいうちから読み聞かせをしてもらうことで、文字や本に対する抵抗が少なくなりますし、本の魅力や本の中に入り込む面白さを知ります。
それが、自然と読書への興味を持つようになり、本が好きな子どもへと成長することへとつながっていきます。
こんなときはどうする?6つの疑問!
同じ本ばかり読みたがる
「これ読んで!」子どもの持ってきた絵本が昨日と同じ絵本…さっきと同じ絵本…。
何度も何度も同じ絵本ばかり持ってこられると、「違うのにしない?」と言いたくなってしまうものですが…。
大人は繰り返しがそんなに好きではありませんし、できればたくさんの絵本、いろいろな内容に触れさせてあげたいと考えるかもしれません。
けれども子どもが何度も同じ本を読みたがるのはとても自然なことで、その絵本を面白いと思っている証拠でもあります。
子どもにとっては“知っているからもういい”ではなく“知っているから何回も読んでほしい”という気持ちなんですね。
内容を覚えてしまうので次に何が起こるか分かっていますが、ワクワクしながらそれを待ち、楽しむことができます。
次から次へと新しいことを学ぶよりも、同じことを繰り返しにより内容を深めていくことができるのです。
もっと深く理解したいという意思の表れでもありますので、同じ絵本でも断らずに読んであげましょう。
すぐにページをめくってしまう
読み聞かせ中、子どもが勝手にページをめくっていってしまうことありますよね。
「つまらないのかな」、「飽きてしまったかな」と思うかもしれませんが、子どもがページをめくるのは次が知りたいからです。
そんな時は、めくるのが楽しくなるような、仕掛け絵本などで読み聞かせをしてあげると一緒に楽しめます。
子どもが先に内容をいってしまう
読み聞かせをしているといつの間にか内容を覚えていますよね。
子どもは覚えていることを得意げに言いたくて仕方ありません。
読んでいるのに先に言われてしまうとモヤモヤするかもしれませんが…そこは我慢して、子どもを褒めてあげましょう。
内容を覚えられたこと、それを言えたこと、そしてママやパパから褒められたことが子どもの自信に繋がっていきます。
最後まで聞けない
子どもは飽きっぽいもので、すぐに違う事が気になってしまいます。
無理やり続けると、絵本を読んでもらう時間や、絵本自体を嫌いになってしまうかもしれません。
読んでいるほうとしては、一冊読み切りたいものですが、“最後まで読まないと!”となる必要はなく、子どもが飽きてしまったり別のことを始めたがるのであれば、読み切らなくても大丈夫です。
難しい言葉が出てきた
難しい言葉が出てくると、簡単な言葉に言い換えて読んであげたくなりますが、新しい言葉を覚えることにもつながる読み聞かせは、できれば書かれている言葉のまま読んであげるのが良いです。
あとでその言葉がどういう意味なのかを教えてあげたり、挿絵にあるものならこれの事だよと教えてあげましょう。
小さい子用の絵本を読みたがる
小さい子向けの絵本を持ってこられると、別の絵本にしたくなってしまいますが…。
絵本は子供の年齢によって、例えば1歳の子に読むのと、3歳の子に読むのとでは同じ絵本でも子ども自身の捉え方全く異なってきます。
逆に月齢より上の難しそうな絵本を選んだとしても大丈夫です。
子どもはその時々でいろいろな楽しみ方をしながら絵本の世界を作り出しているので、読んでほしいと選んできた絵本を安心して読み聞かせてあげましょう。
効果を高めるために知っておきたい5つのこと!
質問攻めにしない・意見を押し付けない
読み聞かせをしているとき、お話の途中で遮ったり、質問をして中断したりしないようにしましょう。
また「面白かったでしょ」などと誘導尋問のような形もよくありません。
親の感想に合わせてしまうと子どもの想像力などを育てる機会をうばってしまいます。
逆に子どもが「つまらなかった」といっても怒らないでください。
それはそれで子どもの感想です。
自由な発想を潰さないためにも、ここであれこれと親の意見を押し付けないよう注意しましょう。
感情・抑揚たっぷり・声色を変えるのはNG
読み聞かせをする時ママやパパとしては、感情をこめて、また登場人物によって声を変えたりしたくなってしまいますね。
けれどもそうすると、悲しい場面、うれしい場面、喜んでいるなどについて、親の固定したイメージでしか絵本の内容を理解できなくなってしまうため、“この場面はどんな気持ちなんだろう”と考える機会がなくなってしまいます。
子供の想像力や読解力を養うためにも気を付けてみましょう。
態度が悪いと叱るのはNG
子どもの年齢や、気分、機嫌、体調など理由はいろいろありますが、子どもが静かに聞いていられなかったり、飽きてどこかに行ってしまうかもしれません。
“せっかくよんであげているのに”なんて思わず、子どもってそんなものだとあきらめましょう。
特に小さいうちや、読み聞かせを始めたばかりの頃はよくあるかもしれません。
次第に集中力がついてくると、きちんと聞いていられるようになるので長い目でみて待ちましょう。
文章を省略しない
子どもは繰り返しが大好きです。
子どもの絵本は繰り返しが多いですよね。
ページをめくると人物がひとり増えるだけで、文章がほぼ同じという絵本もよくあります。
大人としては、面倒になって省略しながら読んでしまいたくなりますが、子どもは何度も繰り返し同じ言葉を聞くことで言葉を吸収していきます。
きちんと読んであげましょう。
読みながらテストしない
子どもに読み聞かせをしている最中、絵や文字が出てくるたびに
- 「この動物はなあに?」
- 「どれが一番大きい?」
- 「これは何色?」
- 「この字はなんて読むの?」
などとテストされるとどうでしょう。
それは子どもにとって幸せな時間ではなく、テストされる、試される嫌な時間としてインプットされ、読み聞かせや、本を読むことが嫌いになってしまいます。
但し、親が読み聞かせしている最中、子どもから「これなあに?」と質問された場合は「おとなしく聞いていなさい」と叱るのではなく答えてやりましょう。
けれども聞かれてもいないのに親側から「これは何だった?」と絵や文字を指して質問することは止めましょう。
まとめ
読み聞かせから得ることのできる効果はたくさんありました。
子どもへの読み聞かせの習慣はなるべく小さいうちにつけたいものですが、何歳から始めても遅くはありません。
ぜひ、一日のうちの5分でも10分でも、読み聞かせの時間をつくり、お子さんとのコミュニケーションタイムを楽しんでください。