産後の子宮復古不全とは?症状、原因、治療方法!

産後の子宮復古不全とは、妊娠により大きくなった子宮が、産後小さく収縮すべきなのに、上手に収縮することができずに起こるものです。
妊娠前の子宮の状態になかなか戻ることができません。
子宮復古不全になってしまうと、子宮内感染症のリスクが高まったり、適切な処置が必要となります。
そこで今回は産後の子宮復古不全について、症状や原因、治療方法などについて詳しくご紹介していきますね。
目次
子宮復古不全とは?
妊娠中、ママのお腹の中では、赤ちゃんの成長と共に、子宮がどんどん大きくなっていきます。
そのため産後は大きくなった子宮が収縮し、妊娠前の状態も戻る必要があります。
妊娠前と同じ大きさの子宮に戻ることを、子宮復古と呼びます。
一方、元の大きさに戻ること無く子宮が復古できない状態を子宮復古不全といいます。
何らかの原因により、子宮が上手に収縮することができずにいます。
だいたい、通常、分娩後約1ヶ月間で子宮は元の大きさに戻ります。
ところが、子宮復古不全だと、再び子宮内膜が正常に作られる事無く遅れてしまうため、。悪露が増えたりと言う症状に見舞われてしまいます。
悪露が増えると細菌が増える原因になり、子宮内膜炎や子宮筋層炎などという病気につながってしまうこともあります。
子宮復古不全の原因とは?!
子宮復古不全の原因としては、子宮の収縮を妨げるなにかがあります。
原因は大きく分けると器質性と機能性があります。
器質性の場合は、明らかな病気が原因です。
機能性の場合は、病気以外の何かが原因です。
胎盤遺残・卵膜遺残
胎盤などは、後産により、ママの身体の外へと排出去れます。
しかし、稀に子宮の中に胎盤や卵膜の一部が残ってしまいます。
すると子宮の収縮が妨げられてしまい、子宮復古不全に陥ります。
子宮筋腫
子宮筋腫が原因で子宮復古不全が起こることもあります。
子宮の筋肉の一部にできるコブのような腫瘍が子宮筋腫です。
良性の場合が多いため、子宮筋腫自体が生死にかかわると言うことはほぼありません。
ところが、子宮筋腫により産後の子宮復古が妨げられてしまうと、悪露がうまく排出されなかったりというトラブルが起こってしまます。
悪露が上手に体外に排出されないと、悪露の量が増えてしまい、余計悪露は体内に溜まりやすくなってしまいます。
子宮内膜炎
永久内膜炎が原因で子宮復古不全になることもあります。
産後にきずついた 子宮や産道から細菌感染し子宮内膜炎が起こります。
すると炎症により子宮の収縮が妨げられてしまうのですね。
子宮筋の疲労
子宮筋の疲労により子宮復古不全になる場合もあります。
双子や三つ子など多胎妊娠の場合は、羊水が多い羊水過多症になると、子宮は無理やり引っ張られるという状態になります。
すると子宮筋が疲労してしまい、収縮しにくくなってしまうのです。
微弱陣痛
微弱陣痛が原因で子宮復古不全となる場合もあります。
陣痛は一定間隔で起こるものの、次第に間隔が短くなり出産となりますね。
ところが微弱陣痛が続き、陣痛の強さが小さい、陣痛と陣痛の間隔が長いと言うような場合が子宮筋の疲労により起こります。
子宮疲労により復古不全も起こってしまうのですね。
子宮収縮抑制剤の長期使用
子宮収縮抑制剤の長期使用により、子宮復古不全が起こるリスクが高まります。
切迫流産、切迫早産、過強陣痛などにより、子宮収縮抑制剤が使用されます。
すると、子宮が収縮できない状態が続いたことで、子宮が収縮すべきときになっても上手にできなくなってしまうのですね。
授乳をしていない
授乳をしていないと言う場合も子宮復古不全になりやすい傾向があります。
授乳をすると、ママの身体の中ではオキシトシンと言うホルモンが分泌去れます。
すると、オキシトシンは子宮の収縮を促してくれるため、子宮が上手に収縮しやすくなります。
ところが授乳をしていないと、子宮はオキシトシンの作用がなく、収縮が上手に進まない場合があります。
病院により、産後すぐに授乳はできないと言う場合もありますし、傷が痛んでできないと言う場合もありますができるだけ授乳したほうが子宮のためにもよいですね。
母体疲労
母体疲労が原因で子宮復古不全が起こることもあります。
エネルギーの消耗、慣れない育児によるストレスや疲れなどにより、子宮の収縮がうまく進まないことがあるのです。
子宮筋腫などの病気はないのに子宮復古不全であると言う場合、母体疲労が原因の場合は少なくありません。
便秘
便秘や尿が溜まってしまっていると、子宮収縮を妨げ、子宮復古不全になりやすくなります。
排尿や排便は我慢しないと言うことが大切です。
便秘になる時は、食物繊維や水分が足りていません。
積極的に食物繊維を含む食材を摂取したり、水分ヲ積極的に、意識的に摂取するようにしましょう。
子宮復古不全の症状とは?!
では子宮復古不全の症状についてです。
子宮復古不全は子宮が十分に収縮していないため、産後の日数にたいして、通常よりも子宮が柔らかい状態が確認されます。
止血をとめるための仕組みがうまく働かずに、大量の悪露が出てしまい、貧血となることもあります。
また、悪露が多いことにより、細菌が増えたり、子宮内感染症のリスクが高まります。
発熱を伴うという場合、要注意が必要です。
入院が必要になる場合もあります、
生活への負担が大きくなるため、悪化する前に受診し治療を開始する必要があります。
子宮復古不全への治療方法!
子宮復古不全はほとんどの場合、命への危険性があるものではありません。
しかし、子宮が元に戻らない状態で放置するわけにも行きません、
治療により、子宮をもとの状態に戻るように促す必要があります。
母乳をあげる
ママが赤ちゃんに母乳をあげることにより、オキシトシンが分泌されるため、子宮の収縮が促され、子宮復古になります。
授乳をすることで子宮復古不全は改善するのですね。
子宮底マッサージ
子宮底マッサージを行なうことにより、子宮の収縮が促され、子宮復古不全の改善に繋がります。
自分で行なうことは難しいマッサージとなります。
病院の医師や助産師さんに相談してマッサージを行ってもらうとよいです。
患部を冷やす
患部を冷やすのも子宮復古を促すことができます。
冷やしすぎてしまうと、お腹の調子を崩してしまうこともあるので、医師の指示に従い冷やすとよいですね。
排便・排尿
排便や排尿を促すようにすることも大切です。
促されると子宮が収縮しやすくなります。
食物繊維や水分をしっかりととり便秘を解消しましょう。
また1日に3食しっかりと食べることも大切ですね。
しかし、排便を促すために市販薬を使用するのはよくありません、なかなか出ないと言う場合は医師に相談しましょう。
子宮収縮剤
子宮収縮剤を使用するという方法もあります。
子宮収縮剤は第一洗濯薬は麦角アルカロイド薬となります。
子宮内膜炎などにより細菌感染が起こっいているという場合は入院による治療が必要となりますね。
子宮復古不全は帝王切開だとなりやすい??
子宮復古不全は帝王切開だとなりやすい傾向があります。
子宮が疲労しているため、子宮復古不全となりやすいのですね。
子宮収縮薬を投与すると良いとガイドラインでも定められています。
ただし、帝王切開で出産したからといって、必ずしも子宮復古不全が起こると言うわけではありません。
子宮復古不全になるとその後の影響は??
子宮復古不全になると、次の妊娠への悪影響は起こらないかどうか不安になりますよね。
子宮復古不全になり、子宮が元の状態に戻らないと、不妊になってしまう場合はあります。
しかし、原因を取り除き、子宮の状態を元に戻すことができれば、再度妊娠することはできます。
ただし子宮復古不全が起こっている原因が子宮筋腫の場合、治療しても不妊になってしまうことはあります。
手術を受けるかどうか医師と相談する必要がありますね。
まとめ
子宮復古不全になってしまった場合は、医師と相談しながら正しい対処や治療により、元の子宮の状態へと戻す必要がありますね。
子宮復古不全になってもしっかりと対処すれば元も戻すことができるので対処しましょう。
子宮復古には痛みも伴いますがとても大切なことなのですね。