まさかの双子妊娠!普通の妊娠とどう違うの?

二人以上の赤ちゃんを同時に妊娠する多胎妊娠は喜びも何倍にもなりますが、実は単胎妊娠よりもハイリスクなんです。
妊娠中毒症へのリスクが上がったり、早産になってしまったりととにかく大変!
一卵性、二卵性の違いは広く知られていますが、胎児の膜性によってリスクも大きく異なります。
今回は、多胎妊娠の卵性や膜性、高まるリスクやその対策についてご説明します。
目次
双子妊娠が判明したら
双子妊娠の診断がおりると、喜んでいても、不安な気持ちがどうしても混在しがちになります。
特に初産の場合、一人を育てるのも大変だと思うのに、同時に二人なんて、と沈んでしまう人も。
まず一番初めにやるべきことは、手伝い要員の確保です。
里帰りをする、もしくは親や兄弟に来てもらう、など、自分のライフスタイルに合った方法を考えましょう。
少なくとも、授乳回数が落ち着いてくる生後3ヵ月までは、配偶者以外にお世話してくれる人を頼るのがベストです。
一人の出産でも睡眠不足になりがちですから、乳児が二人いるとママひとりではとても対応しきれません。
無理をして産後の回復が遅くなったり、ママが倒れてしまったりしては元も子もありませんよね。
例えば昼間だけ親に来てもらい、家事をしてもらったり、仮眠をとる時間をもらったりするだけで身体的負担だけでなく、精神的な負担もぐんと減ります。
もし自分の親にも配偶者の親にも頼れない場合は、市役所や保健所に問い合わせて地域で行っている子育て支援制度を確認しておきましょう。
自治体によりますが、双子の場合は通常よりも低い価格でサービスを受けることが出来ることもあるようです。
また、民間のベビーシッターサービスも、下調べしておくと便利です。
妊娠十週前後に医者から許可をもらえると、いよいよ母子健康手帳の交付が受けられるので、管轄の保健所や役所に行きましょう。
母子手帳は赤ちゃん一人につき一冊なので、もちろん双子の場合は二冊もらえることになります。
母子手帳には母体や赤ちゃんの記録欄のほか、育児に必要な情報も載っているのでとても役立ちます。
双子妊娠のリスク
双子がお腹にいるからと言って、単胎妊娠よりもつわりが酷くなるということはありません。
しかし、双子妊娠は、単胎妊娠(胎児ひとりの妊娠)に比べてハイリスクだと言われています。
以下に双子妊娠の場合に起こりうるリスクをまとめてみました。
バニシングツイン
妊娠初期に起こることがありますが、原因の特定には至っていません。
初期流産のようなもので、その胎児は子宮内で吸収されて消えてしまいますが、もう一人の胎児に影響はありません。
妊娠中毒症
中でも妊娠高血圧症候群については、多胎妊娠の時は特に注意が必要です。
高血圧や尿蛋白(たんぱく)が見られ、酷くなると早産や新生児仮死を引き起こすこともあるので、母体や胎児の命にも危険が及びます。
栄養バランスの良い食事や規則正しい生活を送っていれば防げるので、気にしすぎないようにしましょう。
切迫早産
お腹が大きくなるのも単胎妊娠の倍、つまり身体にかかる負担も大きいため、お腹が張りやすくなります。
お腹が張ることが続いたり、無理をして動いたりしていると子宮頸管が短くなり、まだ十分に育っていないにもかかわらず、早産になってしまいかねません。
特にお腹が頻繁に張る、子宮頸管が短くなるといった症状が妊娠中期に出てしまうと、胎児が未熟なまま早産を迎えてしまうリスクが高まります。
長期的に妊娠を維持するために医師の監視下で管理入院になってしまうことがあります。
管理入院になると24時間体制で張り止めの点滴、ベッド上で起き上がることも禁止、動けるのはトイレやシャワーだけ、というように胎児を守るために大幅に行動を制限されてしまいます。
ですので、妊娠が判明したら無理に家事や外出をせずに済むよう家族に協力してもらいましょうね。
産後も見越して、ネットスーパーに登録しておくと便利です。
卵性や膜性によってリスクが変わる

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双子といると、一卵性?二卵性?と聞かれることがよくあります。
一卵性の双子はもともと一つの受精卵が分離して二つになったもので、必ず双子は同じ性別になります。
また、同じ遺伝子情報を持つために、容姿だけでなく指紋までもがそっくりになります。
もちろん血液型も同じです。
二卵性双生児であれば、もとから別々の受精卵であるため、性別や血液型が違う可能性も高く、容姿が似ているといっても兄弟レベルです。
最近では体外受精や排卵誘発剤を用いた不妊治療によって二卵性の出生率が上がっています。
また、卵性ほど浸透していませんが妊娠中の多胎児には膜性があり、この膜性もリスクを左右する存在です。
なので、多胎妊娠だと判明したら、妊娠12週目までに膜性診断を受けるようにしましょう。
お腹の中にいる赤ちゃんは二つの膜につつまれ守られていますが、そのうちの外側にある膜が絨毛膜(じゅうもうまく)、内側にある膜が羊膜(ようまく)と呼ばれます。
双子の場合、膜性には三つのパターンがあります。
二絨毛膜二羊膜(一卵性・二卵性ともに)
胎児それぞれに胎盤があり、別々の袋の中にいる状態。
二卵性双生児はすべてこの形に分類されます。
二つの胎盤からしっかりと酸素や栄養分を得られるため、安定しています。
まれに両方の胎盤がくっついてしまう癒合胎盤になることもありますが、中はしっかりと分かれているため心配ありません。
一絨毛膜二羊膜(一卵性のみ)
外側にある絨毛膜が一つで、内側の羊膜が二つある状態。
部屋は二つあるものの、一つの胎盤を双子で共有する形になります。
栄養が片方に偏り、様々な疾患を引き起こすリスクがやや高まるため、入念な管理が必要です。
一絨毛膜一羊膜(一卵性のみ)
一つの羊膜の中に二人の赤ちゃんが一緒に入り、胎盤も共有している状態です。
この形になるケースは非常に珍しく、胎児の成長に偏りが見られたり、胎児のへその緒が絡まってしまったり、胎児同士でぶつかってしまうこともあります。
非常にハイリスクと言えます。
多胎妊娠は単胎妊娠よりもリスクが高いので、妊娠初期から信頼ができて設備の整っている病院選びを行うことが重要です。
また、出産後に産科はもちろんですが小児科との連携が必要になるケースも多くあります。
個人の助産院よりは、設備やNICU(新生児用の集中治療室)の整っている総合病院を選ぶと安心です。
里帰り出産を予定している方も、早めに転院先を検討し、相談しておくと何かあった時に安心できますね。
妊娠中にママが無理をすることは、お腹の赤ちゃんに無理をさせることと同じ意味をもってしまいます。
パパは是非、妊娠中からママとお腹の中にいる赤ちゃんをサポートしていってくださいね。
まとめ
多胎妊娠は嬉しいことですが、単胎妊娠に比べてトラブルが起きることも多いです。
初期から無理をしないようにしましょう。
妊娠12週頃までは正確な膜性診断が期待できるので、早めに信頼できる病院を見つけ、膜性診断を受けましょう。
お腹の張りや違和感を感じたら無理をせずに休みましょう。
切迫早産になると自由が制限され、せっかくのマタニティライフがガラリと変わってしまいます。
胎児も未熟なまま産まれてしまい、障害などのリスクを負うことになってしまいかねません。
産前・産後はパパ以外にも手伝ってくれる人を確保しておくと慌てずに済みそうです。