産後のガルガル期にママが凶暴化しないためには?

産後にはガルガル期というものがあります。
ガルガル期という言葉自体が分からなくても、ガルガル期の内容を知ると、「あー、分かる、分かる!」という場合が多いです。
誰しもが経験していることが多いものです。
産後のガルガル期は、「自分以外の人が赤ちゃんに触れるのが嫌だ!」という気持ちとなります。
イライラしてしまうこともあります。
ガルガル期がひどいときは、「夫が赤ちゃんに触れられることも嫌だ!」という気持ちになってしまうこともあります。
そこで今回は、産後のママに起こるガルガル期と上手に乗り越えるための方法についてご紹介します。
目次
産後のガルガル期とは?
自分の赤ちゃんが、「自分以外の人に触れられることが嫌だ!」という気分になることがありますよね。
散歩の途中に知らないおばちゃん、おじちゃんが声をかけてきて「赤ちゃんを触る」「頬や手を触られる」と嫌な気持ちになることがあります。
また、義母、義父、実母や実父に触れられることすら嫌だということもあります。
産後のママは、赤ちゃんを守るという本能がものすごく強く働きます。
そのため、他人が赤ちゃんにふれるとイライラしたり嫌な気持ちになります。
ママが悪いわけではなく、母性本能の影響です。
仕方がないことだと思って自分を責めないようにしましょう。
産後のガルガル期はなぜ起こる?
産後のガルガル期がなぜ起こるのかを説明します。
女性ホルモンの量やバランスの急激な変化
妊娠し、出産すると、女性ホルモンのバランスが大きく変化してしまいます。
妊娠すると通常よりも女性ホルモンの分泌量が急激に増えます。
すると、ホルモンバランスに大きな影響が起こるだけではなく、精神的な面や性格的な面でも影響が起こります。
そして出産後は、急激に増えていた女性ホルモンは急激に減ります。
そこでまたホルモンバランスに乱れが生じますね。
そのため、急に不安な気持ちになったり、イライラしてしまうこともあります。
自分ではないような感覚になるくらい気持ちをコントロールすることが難しくなります。
オキシトシンの過剰分泌
オキシトシンというホルモンは、愛情ホルモンや幸せホルモンと呼ばれるホルモンで、妊娠、出産、子育てに欠かせないホルモンとなります。
「陣痛を起こす」「母乳を出す」「赤ちゃんをかわいいと感じる」という気持ちもオキシトシンにより起こります。
オキシトシンが過剰に分泌されたとき、ママは赤ちゃんへの気持ちだけが先行します。
すると、「赤ちゃんを相手から守る」「相手を許すことができない」という強い気持ちになります。
赤ちゃんをかわいい、愛しいと思う気持ちが大きく、赤ちゃんに接する人を極端に強く嫌いになってしまいます。
オキシトシンの過剰分泌により、相手へのイライラが大きくなります。
甲状腺の病気
産後に甲状腺の病気になることがあります。
出産により体力を使い果たし、体調が崩れてしまいます。
体調が万全に回復していない状態で子育てを無理して行なうため、甲状腺の病気になりやすくなるのです。
甲状腺ホルモンが多くなりすぎると、バセドウ病や橋本病と呼ばれる病気になってしまいます。
体調が悪くなるだけではなく、イライラしやすくなったり、脱力感や倦怠感を感じます。
実は甲状腺の病気だったということもあるので、医療機関に早めに受診することをおすすめします。
産後の慢性的な寝不足
産後の寝不足も原因となります。
産後は赤ちゃんの夜泣き、授乳などがあり、なかなか熟睡することができません。
慢性的な不眠状態がしばらく続きます。
ママの疲れはどんどん蓄積されて、身体も脳も疲れてしまいます。
体調が悪いし、精神状態も不安定となり、イライラしたり、突然大声で泣き出してしまったり、自分をコントロールできなくて不安になります。
ボロボロ状態なのに育児を休むことができません。
すると、育児ノイローゼ気味となり、赤ちゃんに触れようとするものから赤ちゃんを守ろうとする過剰な愛情が生まれます。
真面目で責任感のあるママは、より育児ノイローゼになりやすい傾向があります。
孤独感も高まり、精神的にも追い詰められると、より悪化してしまいます。
初めての育児で余裕がない
「初めての育児で余裕がない!」というときもイライラしやすい傾向があります。
育児経験が豊富だと、ちょっとくらいは手を抜いてもよいのでは?周りの人が助けてくれてありがたい!と思えるようになります。
ところが、初めての育児だと、どのようにすればよいか分からなかったり、不安になり、すべてに対して神経質になりやすくなります。
「育児マニュアル通りじゃないとイライラしてしまう」「不安になる」「無神経に赤ちゃんを触られそうになると許せない」という気持ちが大きくなります。
周囲を頼る余裕がない
子育ては、ママ1人ではできません。
夫、実母、義母、友達、近所の人など色々な人の手助けが必要です。
自分が夜泣きやおむつを変えたりしているのに、「かわいいと無神経にふれるだけ」「自分がだっこしても寝ないのに、義母がだっこしたら寝た」という時もイライラしてしまいます。
産後のガルガル期を上手に乗り越えるためには?
ガルガル期を上手に乗り越えるためにはどうしたらよいのか?説明します。
ホルモンバランスが整うまで待つ
ホルモンバランスが整ってくると落ち着いてきます。
女性ホルモンのバランスは、自分ではわかりません。
一般的に産後、「月経が再開したら女性ホルモンが整った」と判断できる目安となります。
時間はかかるものの、徐々に女性ホルモンのバランスは自然に戻ります。
肉体的に疲れてしまうと、ホルモンバランスも戻りにくくなってしまいます。
ゆっくりと身体を休める時間を作り、ホルモンバランスが整うまで待ちましょう。
ガルガル期は、体力が回復するように無理せず過ごすとよいですね。
赤ちゃんと一緒に寝る
赤ちゃんと一緒に寝るとよいです。
生まれたばかりの赤ちゃんは、小刻みに寝たり起きたりを繰り返します。
そのため、ママはゆっくりと熟睡することはできなくなってしまいます。
家事もたまってしまうので、「赤ちゃんが寝ている間にあれもこれも済ませたい」と思いますよね。
しかし、ガルガル期は、家事の手を抜き、休む事を優先し、赤ちゃんが寝ているときにママも眠るようにしましょう。
ストレスを発散する
家事や育児以外からもストレスを感じると、自律神経が乱れ、ホルモンバランスより一層崩れて精神状態が悪化します。
ガルガル期は、「自分を甘やかす」「嫌なことはやらない」「無理はしない」など、ストレスをたまらない生活をしましょう。
また、夫に赤ちゃんを預けて、髪を切りに行ったり、映画を見たり、1人でリフレッシュできる時間を作れるとよいですね
夫に理解してもらう
夫に理解してもらうことも大切です。
夫は「出産もしていない」「普段通り仕事に行く」という産後も変わらない日々を過ごしています。
しかし、出産後のママは体力的な負担、精神的な負担、社会からの孤立感などを感じています。
そんな中、状況を理解していない夫のイラッとするような一言で離婚となってしまうことも少なくありません。
「ガルガル期で普段以上にイライラしてしまう」ということを伝えて夫に理解してもらいましょう。
義母が苦手…。
元々、義母や義父が苦手という場合、ガルガル期になると、より一層イライラしてしまい、爆発してしまうことがあります。
子育てに関してあれこれ言われたり、見本を見せられたりしていると、赤ちゃんを取られた気持ちになり、よりイライラしてしまうことがあります。
夫にガルガル期でイライラしてしまうということを伝え、そっとしておいてほしいということを義母、義父に夫の方から上手く伝えてもらえるとよいですね。
まとめ
産後は大切な自分の赤ちゃんを守りたい、愛おしいという気持ちが大きく、その影響で自分の赤ちゃんに触れられたときにイライラしてしまったり、嫌悪感や不安を感じたりしてしまいます。
気持ちがどんどん悪化してしまうこともあります。
なかなか症状が落ち着かず、自分をコントロールすることができないという場合は、医療機関に受診し相談しましょう。
産後のガルガル期に悩むママは少なくありません。
かかりけの産科の医師や助産師さんに相談してもよいですよ。