妊娠中に扁桃腺炎になると流産の恐れが?!症状や予防方法!

妊娠中は免疫力が低下し、普段よりも風邪を引きやすくなります。
更に、風邪をひいてしまうと、薬を飲めなかったり、ホルモンバランスの変化で、なかなか風邪が治らないということもあります。
その状態で風邪をこじらせ、他の病気に発展してしまうこともあります。
特に冬の寒い時期、乾燥しやすい時期は、喉からの風邪を引きやすくなり、扁桃腺炎になりやすくなります。
扁桃腺が腫れてしまうため、喉の痛みや高い熱が出てしまい、お腹の赤ちゃんに影響が及ぶこともあります。
そこで今回は妊娠中に扁桃腺炎になった場合の症状や赤ちゃんへの影響、予防法などについて詳しくご紹介します。
目次
風邪から扁桃腺炎が発症?!
風邪をひき、病院を受診すると、必ずと言ってもよいほど、医師が喉を確認しますよね。
あれは、扁桃腺の腫れを確認しています。
扁桃腺は舌の付け根の両側にあるコブのようなものです。
扁桃腺は口から侵入してしまった細菌やウイルスを体内へと侵入させないようにする役割を果たしています。
しかし、扁桃腺にも細菌が存在しているので、細菌により免疫機能が働いているためウイルスから守り予防してくれています。
ところが、扁桃が持っている細菌やウイルスに感染し増殖してしまうと、炎症が起きてしまい症状が起こります。
これが扁桃腺炎なのですね。
また、風邪をこじらせてしまい扁桃腺炎になる場合は、体内に侵入した風邪の原因だったウイルスがしっかりと死滅せずに扁桃の細菌に感染し、増殖すると扁桃腺炎の症状が起こります。
扁桃腺炎の症状は?
扁桃腺炎の症状は
- 喉の痛み
- 悪寒
- 倦怠感
- 高熱
- 頭痛
- リンパ節の腫れ
- 関節痛
などが起こります。
風邪の症状のようですが、風邪の場合は上気道の粘膜にウイルス又は細菌が付着し、増殖すると炎症が起こり、症状が起こります。
一方扁桃腺炎は、陰窩という扁桃のくぼみ部分に細菌又はウイルスが増殖し、症状が起こります。
似ていますが風邪と扁桃腺炎は全くの別物です。
また喉の痛みも全く別物で、風邪の場合は扁桃に炎症が起こるものの、食事ができないほど痛むことはありません。
しかし扁桃腺炎になると、扁桃の膿が原因で激痛が起こると、水も飲めないほど痛くなります。
扁桃腺炎の場合、高熱も出ます。39から40度ほどの高熱が出るので、風邪よりもインフルエンザに近い感じです。
扁桃腺炎はステージにより症状が違う!!
扁桃腺炎にはステージがあります。
ステージにより症状が異なります。
最初は喉がイガイガするくらいの炎症です。
しかし、その後どんどん悪化し、突発的に発熱が起こります。
急性扁桃腺炎となります。
その後、急性扁桃腺炎の発症を繰り返すと慢性扁桃腺炎になります。
イガイガするくらいの痛み → 急性扁桃腺炎 → 慢性扁桃腺炎
になります。
第1ステージ 初期
第1ステージの初期症状は
- 喉がイガイガする
- 熱は微熱程度
- つばを飲み込むときに痛み辛い
第2ステージ 急性扁桃腺炎
- 扁桃腺に白い斑点ができる(ウイルスによる膿)
- 高熱が出る
- つばも水も食べ物も飲み込めない
第3ステージ 慢性扁桃腺炎
- 扁桃腺に白い斑点ができる(ウイルスによる膿)
- 熱は微熱程度
- つばも水も食べ物も痛みで飲み込めない
- リンパ節が腫れている
- 関節に激しい痛みが起こる
- 慢性化すると病巣感染症になる
- 扁桃腺は腫れずに関節、皮膚、内臓に症状が起こる
妊娠中は扁桃腺炎になりやすい!?
妊娠中は女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が増加します。
すると免疫力が低下し、細菌やウイルスなどに感染する可能性が高まります。
すると、風邪を引いた程度でいつもなら治るところが、症状がどんどん悪化し、扁桃腺炎に発展してしまうことがあります。
市販薬を自己判断で服用したことにより発展することもあります。
妊娠初期の妊婦さんは特に免疫力が低下しているため注意が必要です。
また、どんどんお腹が大きくなってくると、血液量が増え心臓が大きくなったり、横隔膜が圧迫され呼吸量が自然に増えたりすると、細菌やウイルスが口や鼻から取り込みやすくなってしまいます。
その分ウイルスが侵入してしまうことが増え、風邪になりやすくなりますね。
なぜ免疫力が低下する?!
妊娠すると免疫力が低下してしまいます。
ホルモンバランスの変化により免疫力が低下します。
赤ちゃんは母親の遺伝子と父親の遺伝子を半分ずつ受け継いでいますね。
そのため、半分は父親の遺伝子であるため、ママの身体の中には違う遺伝子が入り込み、異物として身体は捉えてしまうのです。
すると、体内に異物が侵入したということで排除しようとしてしまいます。
排除しようとすると身体の制御機能が働いてしまうため、赤ちゃんに攻撃が及びます。
そこで身体の免疫機能から赤ちゃんを守もるために、脳が司令を出し、女性ホルモンのエストロゲンを多く分泌します。
エストロゲンが多く分泌去れると、免疫機能の生成量が抑えられるため、赤ちゃんを排除せず体内にとどめておくことができます。
妊娠中に扁桃腺炎にかかったら…?!
妊娠中に扁桃腺炎にかかってしまった場合は、市販薬は服用せずに産婦人科に受診しましょう。
咽頭が腫れている病気であるため、耳鼻科に受診すべきかと迷いますが、妊娠しているということもあるので、かかりつけの産婦人科に受診したほうがよいですね。
市販の薬を自己判断で服用してしまうと、筋収縮をおこし、流産につながってしまうこともあります。
自己判断で服用するのは避け、受診し処方してもらった薬を服用するようにしましょう。
基本的には市販薬は使用しないほうがよいですね
妊娠中の扁桃腺炎は危険…?!流産する?!
妊娠中に風邪を引いてしまっても、絶対に治らないといううようなことはなく、発熱していない軽い症状であれば、安静にしていると治ってきます。
しかし、扁桃腺炎になり高熱が出ると危険です。
妊娠していなくてもお、38度以上の高熱は身体にとって大きな負担となります。
食事も思うようにできず、ウイルスの排除や熱を下げるために体力が奪われます。
また、高熱により羊水の温度が上昇すると、赤ちゃんの成長環境が変わり、赤ちゃんにも影響が及ぶことがあります。
母体が弱るとお腹の中も不安定となります。
ときに子宮で急に筋収縮が起こり、妊娠初期の場合は初期流産となってしまうことがあります。
また、妊娠後期の場合は切迫早産になってしまうこともあります。
妊娠中の扁桃腺炎を予防しよう
では妊娠中の扁桃腺炎を予防するための方法についてです。
規則正しい生活を…
まずは規則正しい生活をすることが扁桃腺炎の予防となります。
生活リズムを整え生活しましょう。
食事
妊娠中はママにとっても赤ちゃんにとっても十分な栄養素が大切です。
妊娠前はあまり気にして居なかったという場合でも、妊娠を気に食生活を見直すことが大切ですね。
特に妊娠中は、鉄分、カルシウム、葉酸、たんぱく質を意識して摂取するとよいでしょう。
鉄分
赤ちゃんのためにも、血液を大量に作る必要があります。
そこで、妊婦さんは貧血になりやすくなります。
そのため、妊娠中は鉄分を積極的に摂取する必要があります。
大豆食品、小松菜、切り干し大根などを貧血対策のために食べることをおすすめします。
鉄分ときくと、うなぎ、レバーなどを摂取するといいかなと思うものの、妊娠中はビタミンA の過剰摂取には注意が必要です。
鉄分はできるだけ動物性ではなく植物性のものから摂取するとよいですね。
カルシウム
赤ちゃんの骨の形成のため、ママの腰痛予防のためにもカルシウムは十分に摂取すべきです。
カルシウムの摂取には乳製品だけではなく、小魚、大豆食品にも豊富に含まれているのでおすすめです。
葉酸
妊娠中は積極的に摂取すべき栄養素です。
葉酸が不足してしまうと、障害のリスクが高まると言われています。
厚生労働省からも推奨摂取量が定められているほどです。
葉酸の摂取には、ほうれん草、そら豆、ブロッコリーなどがおすすめです。
たんぱく質
肉や血をつくってくれるたんぱく質も豊富に摂取すべき栄養素となります。
必須アミノ酸を豊富に含むたんぱく質を摂取すべきなので、動物性であれば魚類を、食物性の場合は大豆製品から摂取しましょう。
睡眠
十分な睡眠も大切です。
睡眠不足になると免疫力はより低下してしまい風邪をひきやすくなります。
長い時間寝れば良いといういわけではなく、質の高い睡眠をとることが大切です。
睡眠のリズムを整えることが大切なのですが、日光を浴びせ身体を目覚めさせてから、約16時間後が就寝時間になるようにするとよいです。
また、眠る数時間前からは、照明を落とし、過ごし、スマホやパソコンなどの明るい光を避け入眠できるとよいです。
運動
適度な運動も大切です。
マタニティーヨガ、筋トレ、スイミングなどを行なうとよいです。
お腹を刺激してしまうような運動、圧迫してしまう運動、負担がかかる運動などは避けましょう。
水分補給
水分補給をこまめに行なうことも大切です。
乾燥してしまうと、感染してしまう原因となります。
鼻、喉の気管が乾燥してしまっていると、細菌、ウイルスが侵入しやすくなってしまいます。
侵入するともちろん感染しやすくなります。
水分補給をこまめに行い、乾燥を防ぎましょう。
加湿器を活用したり、湿度を保ち、乾燥を防いだり、マスクを着用し乾燥を防ぐのも効果的ですね。
手洗いうがい
手洗いうがいもしっかりと行いましょう。
ウイルスを除去するために一番効果的な方法となります。
外出後、トイレの後、などこまめに手洗いうがいを行いましょう。
感染経路を経つことが予防となります。
あまり過敏になる必要はありませんができるだけ予防しましょう。
ストレス
ストレスの発散も大切です。
ストレスが溜まってしまうと、免疫力が低下してしまいます。
好きな音楽を聞いたり、適度に身体を動かしたり、好きなことをしてストレス発散しましょう。
まとめ
妊娠すると免疫力が低下し、風邪を引いたり、扁桃腺炎になりやすくなります。
身体の異常が見られた場合は、自己判断で市販薬等を服用せずにかかりつけの産科に受診しましょう。
また、まずは感染症を防ぐための予防をできる限り行なうことが大切ですね。