陣痛の痛みよりつらい“いきみ逃がし”って?楽にするコツは?

出産でお腹の赤ちゃんを産みだすのは痛いという話はよく聞きますね。
“鼻からスイカ”なんて言葉もあるくらいです。
赤ちゃんを出すために、普段は使わない力を使うし、大きく開くんです。
赤ちゃんとはいえ人ひとり出すんです。
そりゃあ痛いですよね…。
ですが実は…陣痛でいきむよりもずっとつらい大仕事があるんです。
それは“いきみ逃がし”です。
今回はいきみ逃がしについて、必要な理由や、乗り切り方をご紹介します。
目次
いきむとは?
陣痛では子宮が収縮し、赤ちゃんを外に出そうとします。
いきむとは、子宮口が全開になったときに、お腹に力を入れてお腹の赤ちゃんを押し出す後押しをすることをいいます。
赤ちゃんが外に出ようとする力と、ママがいきむタイミングがしっかり合うと、出産をスムーズに進められます。
いきみ逃がしとは?
いきみ逃しとは、先ほどお話しした“いきむ”ことを我慢する、ということです。
助産師さんやお医者さんから「いきんでいいよ」の合図が出るまで、いきみたくなるのを我慢しなければいけません。
痛くて力が入ってしまうのに、踏ん張っちゃいけない…。
これが意外とつらいんです。
どうしていきみ逃がしが必要なのでしょうか。
いきみ逃がしが必要な理由
まだ子宮口が全開になる前や、子宮口が十分に柔らかくなっていない時に、いきんでしまうとどうなってしまうでしょうか。
子宮口がなかなか開かず、お産の進行を妨げてしまうのです。
出口がまだ開いてない状態なのに、無理やり赤ちゃんを出そうとするので、赤ちゃんはとても苦しくなってしまいます。
酸素を取り込めず、低酸素状態になってしまったり、窒息する危険もあります。
ママにも悪い影響があります。
子宮頚管や膣内、会陰部が裂けてしまうといったトラブルが起きてしまうのです。
裂けてしまった傷は、会陰切開の傷よりも治りが悪く、痛みも強いようです。
いきみ逃がしは必ず必要だというのはお分かりいただけたでしょうか。
しかし、逃がすためのコツはいくつかあります。
これからご紹介していきますので、自分に合ったものを見つける参照になさってください。
リラックスできる姿勢/体勢を見つける
いきみたくなってきたら、とにかく自分が一番リラックスできる、楽な姿勢や体勢を見つけてみましょう。
お産が進むにつれ、そのときどきで陣痛を和らげる体勢も変わってくると思いますので、
いろいろな体勢を覚えておくとよいでしょう。
あぐらをかく
あぐらをかくと、股関節を開き産道を広げるのに役立ちます。
肩の力を抜き、お腹を上から下にさすりながら、深呼吸をしてリラックスします。
痛みを和らげお産をスムーズに進めるのに役立ちます。
四つん這いになる
四つん這いは腰にかかる負担や、痛みを和らげてくれます。
シムスの体位
体の左側を下にして横向きになり、ひざを曲げます。
足の間にクッションや抱き枕などを挟むとさらに楽かもしれません。
リラックスできますし、腰への負担も和らぎます。
イスの背にもたれる
寝転がるよりも起きている方がラクならイスの背にもたれるのが良いです。
足を開いてユラユラ揺れることで、痛みを逃がします。
反対向きの姿勢でイスに座る
イスをまたぎ背もたれに向けて座りましょう。
この体勢は股関節を開いてくれるので、お産の進行を助けます。
うつぶせの姿勢になる
肛門周辺がが痛いときは、おしりを高く突き出すような形でうつぶせになると痛みが和らぎます。
他にも壁に手をついて立っているとラクという方もいます。
楽な姿勢や体勢は人それぞれなので、陣痛が始まったら色々な体勢を試してみて、自分が一番楽だと思える姿勢を探しながらお産に臨みましょう。
呼吸を意識する
陣痛中は痛みでパニック状態になり、痛みにばかり集中してしまいがちです。
しかし、呼吸に意識を集中させることは、痛みに耐えるのにとても有効な手段ですので、ぜひ今のうちにマスターしておきましょう。
有名なのは呼吸法は2つあります。
ラマーズ法
「ヒッ・ヒッ・フー」のリズムで知られていますね。
ソフロロジー呼吸法
ヨガと禅を取り入れた呼吸法で、腹式呼吸で行うものです。
赤ちゃんに十分な酸素を届けるためにも大事な呼吸。
母親学級やマタニティ教室などで教えてくれますので、たくさん練習して出産に臨みましょう。
リラックスを心掛ける
いきみたい感じや痛みから意識を逸らすには、体の力を抜いてリラックスできることが大事です。
リラックス法は人それぞれだと思いますが、ママたちはどんなことをしているでしょう。
- 好きな音楽を聴く
- テレビや好きなDVDをみる
- アロマなどお気に入りのにおいをかぐ
- 誰かとおしゃべりをする
- 軽いストレッチをする
- 歩き回る
- 好きな飲み物を飲む
陣痛の合間にはとにかく自分の好きなことをして過ごすようにしましょう。
今のうちにしたいことを考えておくと良いです。
身体を温める
陣痛のときには、腰やお腹、足やおしりなど身体を温めることで、筋肉がほぐれ血行を良くしてくれるので、陣痛の痛みが和らぎます。
足首が隠れる靴下やレッグウォーマーを履き、カイロも用意しておきましょう。
間隔が短くなり病院に行くまでの間は、家でお風呂につかって温めておくのも効果的です。
ちなみに破水しているときはシャワーを含め入浴はNGです。
痛いところを押す
いきみたくなるほどの陣痛がきたけど、まだいきんじゃいけない…
そんなときは肛門のあたりや、腰、太ももの付け根などを押すようにマッサージするのが効果的です。
ゴルフボールを肛門に強く押しあてる、というのは耳にしたことのあるママもいるのではないでしょうか。
押しあてるだけだと力がうまく入らないときは、ボールの上に乗っかってみると良いでしょう。
ボールが用意できなくても大丈夫。
オススメは自分の足のかかとを使うことです。
正座をしたり、あぐらをかいて、自分の体重をかけながら、かかとで肛門を押します。とても楽になりますよ。
ほかの人にマッサージしてもらう
家族や助産師さんなどにお願いして、マッサージしてもらうのも、いきみ逃がしに効きます。
背中から腰にかけてさすってもらったり、腰からおしりにかけて手の平や指の腹で押してもらったりしましょう。
どちらにしても、優しくされるより、強めにマッサージしてもらったほうが、いきむ感覚を逃がすのに効果が高いでしょう。
水分補給/栄養補給
陣痛が起きてから出産までの時間は人それぞれですが、体力が絶対に必要です。
出産はたくさんのエネルギーを使いますし、汗もいっぱいかくので、栄養補給と水分補給はとても大事です。
陣痛中にお腹が空いても良いように、陣痛が来てもまだ動けるようなときに、ちいさいおにぎりなどの軽食や、ゼリー飲料を用意しておくと良いでしょう。
飲み物はできるだけこまめにとりたいですね。
ストローをつけるタイプのペットボトルキャップを用意しておくと、どんな体勢のときも飲みやすいのでオススメです。
まとめ
いきみたくなる感覚は、陣痛の痛みが強くなるのにつれてどんどんやってきます。
いきみたい感覚を我慢するのは大変ですが、上手にいきみ逃しができれば、陣痛の痛みも多少は和らぐでしょう。
いきんんでも良くなったら、あっという間にかわいい赤ちゃんに会えます。
それまでもう少しの辛抱。自分に合った方法を見つけて乗り切りましょう。