妊娠中に足がつる!こむら返りしないための予防と対処法

妊娠をすると、ママの身体はいろいろな変化を起こしますね。
つわりに腰痛、便秘…マイナートラブルに悩まされている妊婦さんも多いでしょう。
足がつる(こむら返り)のもそのひとつです。
なんの前触れもなく、涙がでてしまいそうなほどの激痛が走ります…
これが本当に痛くて痛くて…
なぜ妊婦さんは足がつりやすくなってしまうのでしょうか。
今回は妊娠中の足のつりについて、その原因や対策、予防についてご紹介します。
目次
こむら返りとは?
“こむら”とは、ふくらはぎのことを指します。
筋肉に通常よりも負荷がかかり、極端な筋肉の収縮を起こして、緩まなくなる状態のことを“つる”います。
主にふくらはぎの痙攣について指しますが、ふくらはぎ以外にも太ももや足首、足の指、土踏まず、また足だけでなく手の平や、首、肩などがつることもあります。
激痛を伴いしばらく痛みが続いたり、一度つった箇所はクセになり何度も繰り返してしまうこともあります。
つりやすい箇所・痛み方
妊娠中のママのつりやすい箇所として多いのは“足”です。
ふくらはぎや足の甲、かかと、足の指の付け根付近ですね。
ママとしては特に気にしていなくても、大きくなったお腹の重みを支える足には、たくさん負担がかかっているためです。
足がつると強い痛みだけでなく、足の筋肉が膨らんだり盛り上がったりするような感覚があります。
痛みは寝ていてもすぐに気付くほどの強さで、筋肉が収縮している間続きます。
翌日まで痛みが残ることもありますし、一度つると慢性化しやすいので、何度も同じところがつったりもします。
夜にもつる
日中、動いているときにつりやすいと思われがちですが…
実は妊婦さんの場合、寝ているときに足がつることが多いんです。
寝ているときはお腹の重みに臓器が圧迫されることで、血の流れや循環が悪くなっています。そのため体が冷えやすくなり、筋肉も固くなるので足がつりやすくなってしまいます。
睡眠中は汗をかくので、ミネラルや水分が失われてしまうことも関係しています。
また寝ているときは、無意識に寝伸びをすることがありますが、緩んでいたふくらはぎを急に縮めることも、足のつった状態を起こすことにつながるようです。
時期
妊娠でお腹が大きくなってくると動くのが大変になってきますね。そうすると運動もなかなかしづらくなり、血行が悪くなりがちです。
個人差はありますが、大体妊娠7.8ヶ月頃からお産前にかけて、足をつりやすくなる方が多いようです。
原因
血の流れ・循環が悪くなる
妊娠中はどうしても運動を制限されますが、運動不足は血行不良を起こしやすくします。
血行や血の巡りが悪くなると、体が冷えて足の筋肉が固くなり、収縮を起こしやすくなります。
また、大きくなったお腹に脚の血管が圧迫されて負荷がかかり、下半身の血液の循環が悪くなることも、足のつりを起こす原因となります。
ママの栄養不足
妊娠中はいろいろな栄養分が、赤ちゃんに優先的に送られるため、ママの栄養が足りなくなってしまうことがあります。
特にカルシウムやマグネシウムといったミネラルの不足や、ビタミン不足になることが問題です。
体内のミネラルやビタミンが不足すると神経や筋肉が動揺して興奮しやすくなり、異常収縮を起こすため足をつるようになってしまいます。
大量に汗をかく
妊娠して汗を多くかくようになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ミネラルのバランスが崩れると足がつるようになることはお話しましたね。
実は汗にも多くのミネラル分が含まれているんです。
大量に汗をかくと体の中のミネラル分が失われ、足のつりにつながってしまいます。
骨盤のゆがみ・ゆるみ
妊娠してお腹が大きくなると、ママは無意識にお腹を守るような姿勢になることが多くありますが、その影響で骨盤が緩んだり歪んだりしやすくなります。
骨盤が広がっていくと、骨盤を支えていた足の筋肉は横に引き伸ばされたような、引っ張られたような状態になるのですが、それに反するようにふくらはぎの筋肉は元の状態に戻ろうとします。
この引っ張り引っ張られる状態、筋肉の収縮する働きが、足のつりとなってあらわれるんです。
身体の変化・足への負担
妊娠中は運動量が減って、足の筋力が低下しますね。
赤ちゃんがお腹の中にいる体を、筋力の低下した足で頑張って支えているんです。
そんな状態ですから、普通に生活しているだけでも足には大きな負担がかかり、足がつってしまいます。
また、重いお腹をかばった歩き方や座り方、姿勢をしてしまうことで、骨盤だけでなく腹筋や背筋などに負担をかけることになり、それらの筋肉と間接的につながっている足の筋肉が影響を受け、足のつりやすさを増してしまいます。
運動不足 筋肉量の減少
運動不足によって筋肉量が減ることも、足をつる原因のひとつです。
また、お腹の赤ちゃんが大きくなってきてママの体重が増えることで、足への負担がいつも以上になり筋肉疲労を起こすことでも、足がつりやすくなります。
対処法
就寝中や夜中・明け方
寝ているときの足のつりは、あまりの激痛にびっくりして起きてしまいますね。
そんな時は、筋肉を傷めてしまわないためにも、無理やり動かしたりすぐに伸ばしたりせず、痛みが落ち着くまで待ちましょう。
しばらく待って足が少し動かせるようになってきたら、その箇所を優しくなでて温めてからストレッチをするのがよいです。
足の指を足の甲側に反らしたり、壁に手をついて伸ばしたりしてあげると、痛みがひいていきます。
急に動かすと痛みが増してしまうので、ゆっくりと筋肉を伸ばすことを意識して行ってみてください。
痛みが収まったら、筋肉疲労をためないために、また同じ場所がつらないためにも、足の全体を優しくマッサージしておくのがオススメです。
起きているときにつった場合はどうでしょう。
筋肉を伸ばす
就寝中と同じくまずは楽な姿勢になり、無理せずゆっくりと筋肉を伸ばしていきましょう。
方法は先ほどと同じです。
足がつるとあまりの痛みに座り込んでしまいたくなりますが、歩くこともストレッチのひとつです。
伸ばすべきところが自然と伸びて痛みを和らげてれます。
もちろん、つってすぐは痛みが激しいので、痛みのピークが過ぎるのを待ってからにしましょう。
ふくらはぎを伸ばす
即効で痛みを和らげたいときは、つっているほうの足の指をつかんで、ふくらはぎを伸ばすことを意識しながら足の甲側に引っ張ります。
引っ張った状態を8秒ほどキープし、元に戻す、という繰り返しを痛みが治まるまで続けてみましょう。
足首を回す
足首を軽めにくるくると回してあげると、足の緊張状態を治めるのに良い方法です。
痛んだ箇所を温める
痛みが和らいでも同じ箇所でぶり返すことがあります。
血の巡りや循環が悪くなっていることで足がつった可能性もあるので、足を温めて血行を促進し筋肉をリラックスさせましょう。
入浴や足湯が一番オススメですが、温めたタオルや、温湿布を使うのもありですね。
予防法
足のつりに摂りたい栄養素
- カルシウム:乳製品、魚、パセリ、乾燥した小魚、豆腐など
- マグネシウム:ナッツ類、海藻類、味噌、納豆、カボチャなど
- ビタミンB:たまご、豚肉、レバー、玄米、ゴマ、うなぎ、牛乳など
- カリウム:バナナ、柿、キウイ、メロンなど
適度に体を動かす
ママ自身の体調と相談しつつ…
- ウォーキング
- ストレッチ
- マタニティヨガ
- マタニティエクササイズ
- マタニティスイミング
- 安産体操
- 雑巾がけ など
体を冷やさない・温める
- 湯船に浸かる
- 足湯
- 腹巻
- 靴下やレッグウォーマー
- 湯たんぽやカイロ
- 温かい食べ物/飲み物 など
水分補給をしっかりする
水分不足も足のつりを起こす原因です。
頻尿に悩んでいる妊婦さんも、水分は意識して摂るようにしましょう。
寝る姿勢・体勢
就寝時はクッションなどを使って足元を少し高く上げることで、足のつりを防ぐことができます。
お腹が大きくなってきて仰向けで寝るのが苦しかったり大変な場合には、横向きに寝転び、足の間にクッションや抱き枕などを挟んで休むと良いでしょう。
ツボ押しやマッサージ
入浴後など体が温めたあとで足全体、特にふくらはぎから足の指先までを優しくマッサージして血流を良くしておきます。
強く押しすぎないよう注意してください。
骨盤ケア
マタニティーマッサージもありますが、大きいお腹を抱えてお店に出向くのは大変ですよね。
そんなときは腹帯や、マタニティーガードルを使い体を支えてあげましょう。
また、妊娠中から使える骨盤ベルトを使うのも良いですね。
まとめ
妊娠中の足のつりに悩むママは多いですね。
急に起きた時に慌てないためにも、足のつりへの対策を覚えておくのが安心です。
普段の生活の改善により、予防できることもあるかもしれません。
無理をしない程度にいろいろな予防法を試したり、出来る範囲で対策をしてご自身に合ったものを見つけてみてください。