妊娠中は昆布の摂取に注意が必要?赤ちゃんへの影響は?上手な昆布の食べ方!

日本人にとって、昆布はかかせない食べ物の1つですね。
ミネラルが豊富で美容効果抜群です。
また、海藻は低カロリーなので、ダイエットの大きな味方にもなってくれます。
しかし、そんな昆布は身体に良さそうなのに、妊娠中に食べすぎてしまうと、お腹の赤ちゃんに悪影響が及んでしまう危険性があるのです。
昆布に含まれているヨウ素が関係します。
そこで今回は、昆布に含まれているヨウ素について、ヨウ素を摂取しすぎるとどうなるのか、赤ちゃんへの影響、妊娠中の昆布の摂取方法などについて詳しくご紹介していきますね。
目次
昆布に含まれるヨウ素とは?
昆布にも含まれているヨウ素とは、ヨードとも呼ばれているものです。
ナポレオン戦争の時代に海藻から火薬が製造されるときに、発見された元素となります。
体内では甲状腺に存在しているものであり、甲状腺ホルモンを構成するための成分として重要な栄養素となります。
海中に多く存在している栄養素で、魚介類や海藻に豊富に含まれています。
日本人はもともと、海藻類や魚介類を摂取することが多く、ヨウ素が不足することがなかったため、過剰摂取することで、健康被害が起こってしまうのです。
ヨウ素の働きとは?
ヨウ素は、様々な食品に含まれている栄養素なので、様々な場面で様々な形で摂取されています。
ヨウ素イオンは胃と小腸で完全に吸収されます。
その他のヨウ素は消化器官で還元され吸収されることとなります。
体内に吸収されたヨウ素のほとんどは、甲状腺に集まり、甲状腺ホルモンを構成する際に使用されることとなります。
甲状腺で使用されることのなかったヨウ素は、腎臓で分解され、尿などにより体外に排出されます。
成人している大人の場合は、約13mgのヨウ素が体内に存在し、12mgは甲状腺の中にあります。
甲状腺ホルモンはたんぱく質の合成、酵素反応を中心として、細胞の活動、末梢組織の成長、神経細胞の発達、エネルギー代謝を促してくれます。
発育にとって必要不可欠なホルモンとなります。
ヨウ素が不足するとどうなる?
身体の中でヨウ素は不足してしまうと、赤ちゃんに必要な量のヨウ素を送ることができなくなってしまいます。
すると胎児が流産してしまったり、先天性の異常が起こってしまったり、最悪の場合は死産につながってしまうこともあります。
1日の摂取推奨量は220μgと構成労働省では推奨されています。
ヨウ素を摂取しすぎるとどうなるの?
一方、ヨウ素を摂取しすぎてしまうと、悪影響となってしまいます。
1日に妊婦さんが摂取できるヨウ素の耐用上限量は、1日2200μgと言われています。
この数値を超えた量を過剰に摂取してしまうと、赤ちゃんにヨウ素が蓄積してしまい、赤ちゃんが甲状腺機能低下症に陥ってしまうことがあります。
甲状腺機能低下症は、新生児のうち、3000人から5000人に1人なるくらいだと言われています。
早期発見であれば、服薬によるホルモンの分泌血を正常に戻すことができます。
ところが、発見が遅れてしまうと発達に遅れが出たり、知的障害があったりという危険性がると言われています。
妊娠初期は特に、赤ちゃんの脳や身体が形成されていく重要な時期ですね。
その時期のヨウ素の過剰摂取には特に注意が必要となります。
食生活に十分な注意が必要ですね。
昆布にはどのくらいのヨウ素が含まれているの?
日本人は和食を食べる機会が多く、様々な料理に昆布が使用されますね。
また、海藻類はミネラルも豊富で、肌や髪にも良く、低カロリーであり、妊婦さんにとって、とても良い食材ですね。
妊婦さんにとって、1日に摂取しても問題のない、ヨウ素摂取許容量は、2200μgです。
では、昆布やその他のヨウ素が含まれてる食材は、実際どのくらいの量であれば食べても大丈夫なのでしょうか。
食材別のヨウ素含有量は…?
- 乾燥昆布…5g(5cm角)あたり約12000μg
- とろろ昆布…1gあたり約1560μg
- 昆布の佃煮…15g(大さじ1杯)あたり約1650μg
- 市販の昆布だし…1gあたり130μg
- ところてん…100gあたり240μg
- 水戻しわかめ…10gあたり190μg
市販の昆布だしの場合、ヨウ素の含有量は減少します。
昆布そのものの場合は、ヨウ素の含有量が高くなります。
煮炊きしていない昆布の場合は更にヨウ素が良く含まれます。
とろろ昆布のように、だしだけではなく、昆布自体も食べるという場合、2g以上摂取してしまうと、すでに妊婦さんの1日の摂取上限を超えてしまいます。
日本人は通常生活の中で平均的に約1500μgの摂取だと言われています。
しかし、毎日昆布やわかめを積極的に摂れる食材とは…
ヨウ素を含む食材を上げると、昆布が一番にあげられますが、他にもヨウ素が含まれている食材はたくさんあります。
昆布以外にも摂取に注意する必要がありますね。
ひじき
干しひじきの場合…100gあたり47,000μg
乾燥ひじきの場合…1gあたり470μg
ヨウ素の含有量が多いひじきは、調理家庭でヨウ素が溶けてしまうことが多いです。
そのため、1人前食べてもヨウ素の摂取上限を超えてしまうということはほとんどありません。
市販のひじきの場合も、100gあたり平均2mgのヨウ素が含まれているため、一食分がだいたい30gだとして、ヨウ素の摂取量は約600μgとなりますね。
副菜として、小鉢1杯分のひじきをたべるくらいであれば大丈夫です。
水で戻したわかめ
煮干し・水戻しわかめ 100gあたり1900μg
わかめはお味噌汁に使用したり、海藻サラダに使用したりしますね。
味噌汁に入れて使用するという場合は、水戻しわかめ約10g程度なので、ヨウ素は約190
Μgとなるので、1杯食べたくらいでは特に問題ありませんね。
鱈
生鱈の場合、大1切れ100gあたり約350μg
魚類だと、鱈以外にも、いわし、サバ、かつお、ししゃもなどなど、様々なものにヨウ素が含まれています。
ずわいがに、あわび、さざえなどなどの貝類や甲殻類にもヨウ素は含まれます。
普段の食事の中で魚をよく食べるという場合は、ヨウ素の摂取に注意が必要ですね。
また、鍋物などにすると、ヨウ素を摂取してしまいがちなので注意が必要です
焼海苔
やき海苔100gあたり2100μg
焼海苔も海藻からできているため、ヨウ素が含まれていますね
焼海苔だけで摂取上限を超えてしまうということはないでしょう。
少しずつがオーバーに?
このように、ヨウ素は食事の中で特に偏ってたくさん食べなければ、摂取上限を超えてしまうことはありません。
しかし、ヨウ素を含む食材を積極的に摂取したり、毎日食べ続けたり、食べ合わせによっては、摂取上限を超えてしまいます。
ヨウ素を含む食事を少しずつ食べることで超えてしまうこともあるので注意しましょう。
毎日摂取するのではなく、週に1,2,回摂取する日を作るという方法で摂取のしすぎを防ぐのもよいですね。
ヨウ素の吸収を抑えてくれる食材?
妊娠中でもヨウ素を含む食材を食べるというときに、一緒に食べると良い食材があります。
ヨウ素の吸収を妨げてくれます。
ヨウ素の摂取を妨げてくれるものは、ゴイトロゲンと呼ばれる科学物質で、大豆イソフラボンに含まれています。
大豆イソフラボンを積極的に摂取すると、甲状腺にヨウ素が取り込まれる状態を防ぐことができます。
また、アブラナ科の植物に含まれている、イソチオシアネートも、ゴイトロゲンと同じく、防いでくれます。
アブラナ科の植物はブロッコリーやカブやキャベツとなりますね。
もちろんヨウ素も身体にとって必要な栄養素であるため、ゴロイドロ減やイソチオシアネートはヨウ素欠乏症を引き起こしてしまう栄養素として、悪いものと言われていました。
しかし、他国と比べ、日本はヨウ素の摂取量が多いため、ヨウ素の吸収を抑える良い食材として、見られるようになってきています。
妊娠中は昆布を控えるべき時期?
妊娠中も全く昆布を食べないようにすべきといういわけではありません。
しかし、念の為、昆布を避けた方が良い時期があります。
妊娠12週から20週目頃までは、赤ちゃんがヨウ素の影響を最も受けやすい時期だと言われてます。
そのため、ヨウ素の影響が不安であるという場合は、この時期は全に避けるという方法もありますね。
完全に避けたいという場合、以外とドレッシングやタレなどにも使用されていることが多いので成分表示を気をつけて確認するとよいですね。
まとめ
妊娠中、昆布の過剰摂取は、ヨウ素の過剰摂取となってしまい、赤ちゃんへの悪影響をもたらしてしまうことがあるのですね。
毎日昆布を摂取している、昆布が好きという場合は、摂取量の見直しが必要ですね。
摂取しすぎに気をつけながら食べたい食材として意識してみましょう。
だしは昆布以外にも美味しくとれるものがあるので、他のだしを試してみるのもよいですね♪