妊娠前に受けておくべき検査や予防接種!安心して妊娠するために!

妊娠するまえ、母体や胎児に影響が及ばぬよう、トラブル無く妊娠が継続で無事に出産するために、妊娠前に受けておくべき検査や予防接種があります。
子宮の状態、卵巣の状態、病気の抗体について、性感染症について、流産や早産、赤ちゃんに障害が起こるなどということを防ぐためにも行うべきなのです。
妊娠前に受けておくべき検査や予防接種、胎児への影響や種類や費用、何科で受けるべきかなど詳しくご紹介していきます。
男性も一緒に受けるべき検査もありますよ。
目次
妊娠前に受けておくべき検査や予防接種とは?
妊娠に至るまでの間、体では様々な器官が関係してきます。
女性の場合は
- 子宮
- 卵巣
- 脳下垂体
- 視床下部
などが妊娠の過程で密に関わる器官となりますね。
男性の場合は
- 精巣
- 脳下垂体
- 視床下部
などが造成や射精に関わる為、大切な器官となります。
感染症や糖尿病などの問題がある場合、妊娠に強く関わる器官が正常に働かなくなってしまうのです。
そのため、問題があると、早産や流産などが起こったり、母子感染を引き起こし赤ちゃんも影響が及び、障害が残ってしまうということもあります。
このようなリスクを避けるためには、検査や予防接種がものすごく大切になります。
また、予防接種後や薬の服用後はある一定期間は妊娠を控えたほうが良い時期もあります。
妊娠したから病気や感染が判明すると治療が思うようにできないということもあるので、しっかりと事前に確認しておきたいですね。
妊娠したいと思った時は、まずは検査や予防接種について夫婦で確認してからにしたいですね。
妊娠前の検診・予防接種は何科で受けるべき?
妊娠前の検査には、内科的な病気の有無について検査する一般的な健康検診、子宮などに異常がないかどうか調べるための婦人科検診の大きく分けて2種類があります。
妊娠前の検診は産婦人科で受けることができます。
どこで受けようか迷ったアバイは、産婦人科で婦人科検診を受けることができるかどうか、電話などで尋ねてみるとよいです。
また、病院によっては健康検診と婦人科検診と性感染症を含む検査も行っているブライダルチェックというものがあることもあります。
男性も一緒に婦人科で検査を受けることが出来る場所も少なくありません。
しかし、男性が婦人科で検査を受けることに抵抗がある場合は、泌尿器科で相談してみると検査してもらえるでしょう。
妊娠前にまずは健康診断を受けよう!
妊娠前にまずは健康診断を受けましょう。
妊娠に関わる器官を特化し検査するのは婦人科検診ですが、自治体や会社で行われる健康検診も妊娠前に行うべき大切な検査となります。
健康検診で行われる検査内容は
- 血液検査
- 尿検査
- 血圧測定
- 胸部レントゲン
- 心電図
などが行われます。
健康診断結果で、内臓疾患、妊娠の経過に関わる肥満、低血圧、高血圧、糖尿病の可能性などを診断することができます。
健康診断を受けた結果は産婦人科の医師の共有するようにしましょう。
妊娠前に受けておくべき婦人科検診とは?
では続いて妊娠前に受けておくべき婦人科検診です。
どのような検査が行われるのか詳しく内容もご紹介していきますね。
内診
まずは内診です。
下着を脱ぎ、内診台に乗った状態で足を開き、医師が膣内部へと指を入れ、もう片方の手でお腹を軽く押さえ、子宮の大きさ、柔らかさ、卵巣の腫れ、形状について触診が行われます。
内診で、子宮内膜症や子宮筋腫が発見されます。
検査の結果によっては、詳しい検査が必要であると判断された場合、エコー検査、MRI検査が行われることとなります。
超音波検査
超音波検査はエコー検査とも呼ばれています。
検査で使用する超音波の受発信器具をプローブと呼びます。
プローブには膣に入れて使用する経膣エコーとお腹の上に当てて使用する腹部エコーがあります。
妊娠中期~後期になるとよく腹部エコーが使用されますが、婦人科検診の場合は、経膣エコーが使用されることが殆どとなります。
内診では分からないくらいの小さな異変、子宮筋腫や卵巣腫瘍、子宮内膜症などが判明します。
痛みに関しては個人差があるのですが、緊張すると痛みを感じやすいため、深呼吸しながらリラックスした状態で受けましょう。
おりものの検査
おりものの検査も行われます。
膣内から専用の綿棒でおりものを採取します。
性感染症に感染していないかどうか、おりもの検査で判明します。
採取した織物を培養したのちに検査するため、検査結果は1週間後くらいとなります。
クラミジア・カンジタ・淋菌・トリコモナス・ヘルペスなどの有無を確認することができます。
血液検査
血液検査も行われます。
通常血液検査では貧血や糖代謝、コレステロールなどが調べられます。
しかし、一般的な血液検査の項目と共に、正常な排卵に必要となるホルモンの分泌状態について、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、トキソプラズマ、HIVなどについても確認されます。
また、風疹の抗体があるかどうかも確認できます。
妊娠中に風疹に感染してしまうと危険なため、風疹の抗体があるかどうかも確認してもらうとよいです。
子宮がん検診
子宮がん検診も受けておきましょう。
子宮がん検診には子宮頸がんと子宮体がんの2つがあります。
子宮頸がんは20~30代が発症時期となり子宮口の近くで起こります。
子宮体がんは40代以降に見られやすい子宮内膜で起こるものです。
子宮がん検診という場合、子宮頸がんの検査を示しているところが多いです。
不正出血や下腹部痛などが気になるという場合は、子宮体がんの検査も行って貰うよう相談してみましょう。
子宮頸がんの検査の方法は、膣内に専用のヘラ又はブラシを差し込み、子宮口付近の細胞を採取します。
痛みを感じ出血することもあるので、念の為ナプキンを持参しておくとよいですね。
乳がん検診
乳がん検診の推奨年齢は40歳以上となります。
しかし、若くても乳がんになることはあります。
妊娠前に検査を受けておきましょう。
妊娠前に受けておくべき予防接種とは?
では続いて妊娠前に受けておきたい予防接種についてです。
風疹
まずは風疹ウイルスにより発症する風疹という感染症の予防接種です。
妊娠20週目頃までの間に、ママが風疹に感染してしまい発症すると、胎児に白内障や心疾患、難聴、精神や運動面での発達遅滞などの障害が起こる「先天性風疹症候群」となってしまいます。
妊娠中の風疹は絶対に避けたいものですよね。
日本では風疹は定期接種であるため受けてあるものなのですが、時期によっては受けていない人もいます。
接種を忘れてしまっているという場合もあります。
風疹のあるかどうか検査し、ない場合は妊娠前に必ず予防接種を受けて置きましょう。
また、風疹の抗体があるかどうかは旦那さんや一緒に暮らす家族などにも検査を受けてもらい、抗体がない場合は予防接種を受けてもらうようにしましょう。
妊娠を控える時期は?
風疹の予防接種後、体の中にはしばらくの間、風疹の弱いウイルスが存在します。
念の為に、接種前の1ヶ月は子作りを控えてください。
妊娠は接種から2ヶ月間避妊するようにしましょう。
麻疹/はしか
麻疹は空気感染する感染症です。
感染力が非常に強いため、感染しやすい病気です。
妊娠中に麻疹に感染してしまうと、早産、流産などが起こってしまう可能性があるのです。
妊娠中に麻疹の予防接種を受けることはできないので、妊娠前に受けて置きましょう。
麻疹の予防接種に使用されているワクチンは風疹との混合であるため、麻疹の予防接種をした後も、風疹の予防接種と同じく、接種前1ヶ月は避妊し、接種後2ヶ月は避妊をしましょう。
ムンプス/おたふく風邪
ムンプスは一般的におたふく風邪と呼ばれていますね。
正式には流行性耳下腺炎といいます。
ムンプスウイルスにより発症するもので、妊娠初期に感染すると、流産の可能性が高まります。
胎児の死亡リスクがあるため、予防接種を受けておきましょう。
ムンプスの予防接種は生ワクチンです。
接種後、2ヶ月は避妊するようにしましょう。
水痘
水痘、水疱瘡と呼ばれる病気は、大人になってから感染すると重症化しやすいものです。
そして妊娠中に感染すると、妊娠の経過に大きな影響が及びます。
妊娠初期で感染した場合は流産のリスクがかなり高くなります。
妊娠中期に感染すると、先天性水痘症候群になるリスクが高くなります。
先天性水痘症候群となると、発達遅滞、先天性奇形、神経障害などが起こります。
妊娠後期に水痘に感染すると、約2~35%の確率で重い肺炎となってしまいます。
予防接種を妊娠前に受けておくべきですね。
水痘の予防接種は接種後、避妊期間が2,3ヶ月必要となるので注意しましょう。
B型肝炎
B型肝炎はB型肝炎ウイルスにより発症します。
B型肝炎ウイルスは慢性肝炎、急性肝炎、肝硬変、肝臓がんの原因となります。
感染力が強いため、汗や唾液や血液など体液で感染してしまいます。
B型肝炎の予防接種は、初回の1回目、1ヶ月後に2回目、半年後に3回目、と合計3回の接種が必要となります。
母子感染してしまうものなので、予防接種しておきましょう。
妊娠前に検査と治療を終わらせておくべき?!性感染症について
妊娠前には性感染症の検査と治療も終わらせておきましょう。
性感染症は男女ともに気をつけなければいけないものですね。
性感染症に感染していても、自覚症状がないとう場合もあります。
しかし、治療せずに放置してしまうと、症状が起こってきたり、不妊症の原因となってしまうこともあります。
性感染症の原因となるウイルスや細菌は
- トリコモナス
- クラミジア
- 梅毒
- 淋病
- 性器ヘルペス
などがありますね。
感染した場合、女性の場合は
- 子宮頸管炎
- 膣炎
- 卵管炎
などが起こりやすくなり、子宮外妊娠や卵管閉鎖が起こってしまうことがあります。
男性の場合は
- 精巣上体炎(副睾丸炎)
- 無精子症
などになってしまいます。
性感染症に感染した状態で妊娠期間を過ごし、出産してしまった場合、赤ちゃんに感染し結膜炎や肺炎が起こってしまうことがるので注意が必要です。
女性の場合は自覚症状がない?
女性の場合、性感染症に感染していても自覚症状がないという事が多いのです。
不正出血や性交痛、下腹部痛やおりものの異常があれば、かなり症状が進行してしまっているので、早めに受診し相談し検査、治療をおこないましょう。
自宅で自分で検査キットで検査
自宅にて、自分で検査キットを使用し検査することができます。
時間がない、仕事が休めないというような時は自宅で使える検査キットを活用するとよいですね。
インターネットで申し込み、手順に従い採取し、郵送することで、数日後や1週間後に結果が届きます。
男女の共に検査を
ママになる女性だけが検査すれば大丈夫じゃないの?!と思われがちですが、夫婦で検査することが大切です。
どちらか一方が感染知ている場合、お互いに感染していることが殆どです。
パートナー間で菌を回し合っているということもあります。
お互いが陰性になるまで、根気よく治療を行いましょう。
妊娠前はブライダルチェックで十分!?
妊娠前に行うブライダルチェックという検査があります。
ブライダルチェックとは?
ブライダルチェックは、健康な状態の体かどうか、妊娠することができる体の状態かどうか検査が行われるものです。
結婚したタイミングで受ける事が多い検査であるため、ブライダルチェックと呼ばれています。
妊娠を考えて居る場合、結婚前でも受けることができる検査ですよ。
- 子宮がん検査
- 乳がん検査
などの女性に向けた検査内容であることが殆どです。
しかし、細菌はホルモンの分泌量、精子の質など男性向けの検査内容も準されている医療機関も少くありません。
男女で一緒に受けることが増えてきているのですね。
オプションをフル活用
ブライダルチェックの検査項目が医療機関ごとに異なります。
大体の病院では、
- 血液検査
- 子宮がん検査
- 尿検査
- おりもの検査
がベースの検査内容となります、
そこから、オプションで必要な検査を加えていくという方法の病院が多いです。
検査項目は数多くあるので、医師と相談しながら、自分にぴったりの検査内容をオーダメイドしてみてくださいね。
妊娠前の検査・予防接種にかかる費用
妊娠前の検査や予防接種にかかる費用についてご紹介していきますね。
健康診断にかかる費用は?
健康診断には、生活習慣病予防健診と人間ドックがあります。
国民健康保険に加入している状態で受ける場合、自費で受ける場合、自治体によ助成がある場合で異なります。
保険組合や医療機関に問い合わせると費用の詳細が確認できますよ。
生活習慣病予防健診の場合
- 国民健康保険・自費…19,440円
- 健康保険…7,0038円
人間ドックの場合
- 国民健康保険・自費…約40,000円前後
- 健康保険…752円
となります。
婦人科検診にかかる費用は?
健康診断の追加項目として婦人科検診をうけた場合、健康保険の助成が受けられる場合が殆どです。
外来でも受けることができますが、外来で受ける場合は自費診療です。
子宮がん検診、乳がん検診の場合、10,000円~15,000円くらいです。
ブライダルチェックの場合は自費での支払いが基本です。
病院毎に異なります。
大体、約20,000円~30,000円くらいで受けられます。
高い病院だと約50,000円くらいかかります。
妊娠前には歯の治療も必要!?
妊娠していると、女性ホルモンが増えます。
すると歯周病菌が増殖しやすくなったり、歯肉を作る細胞が攻撃、炎症を促す物質が多くなるということが起こります。
妊娠中は歯周病などのリスクが高まるのです。
妊娠と歯、口の中の状態は関係ない感じがしますが、早産のリスクが高まったりということがあるので、妊娠前に検診をうけ、治療を終わらせておきましょう。
まとめ
妊娠前は妊娠が出来る状態の体なのか、安全に妊娠を継続でき、無事に出産できる体の状態が整っているのか、しっかりと検査をして確認しておきたいですね。
また、予防接種を終えていないものがあれば、しっかりと接種しておきましょう。
接種後にある程度の期間避妊するべきであることも忘れないようにしたいですね。
ブライダルチェックの場合、所要時間は大体30分~1時間ほどで受けることができます。
忙しい中でも、妊娠のために受けておきたいですね。
妊娠したいと考えたら、夫婦ともに検査を受けましょう。
検査の結果によっては治療などが必要となる場合もあるので、治療があった場合のことも考え、早めの検査をおすすめします!