紫斑病とは?!アレルギー性紫斑病、特発性血小板減少性紫斑病の症状や原因と治療法

子供に多い病気の一つ、紫斑病。
紫斑病は簡単に言うと紫斑は痣(あざ)という意味があります。
紫斑病にも色々なものがありますが、その中でもアレルギー性紫斑病と特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の症状や原因、治療法などについて詳しくご紹介していきたいと思います。
目次
紫斑病とは?!種類は?!
何らかの原因により出血しやすくなっていて、皮膚や粘膜に内出血ができ、紫色になる痣を紫斑と呼びます
この紫斑が主な症状となる病気をすべて紫斑病と呼びます。
紫斑病は原因により、いくつかの病名を持ちます。
最も発症する事が多い紫斑病がアレルギー性紫斑病というものです。
紫斑病というと、アレルギー性紫斑病を指すことが多いほどもっとも多く起こる確率が高いものとなります。
アレルギー性紫斑病は子供に多い病気なのですが、稀に成人でも発症します。
アレルギー性紫斑病
2歳から8歳ころまでの男の子に最も多く見られる病気です。
アレルギーが原因となります。
別名はアナフィラクトイド紫斑病、または血管性紫斑病、lga紫斑病、症候性血管性紫斑病、シェーンライン・へノッホ紫斑病などと呼ばれることもあります。
血小板減少性紫斑病(ITP)
血小板の数や質に異常が起こり発症します。
特発性血小板性紫斑病
血小板の数が減ることにより起こる病気です。
血栓性血小板減少紫斑病
血小板が血液内で固まるため、血栓が作られます。
血栓が原因となり紫斑病となります。
成人に多く見られる紫斑病ですね。
溶血性尿毒症候群
稀な病気となります。
血栓性血小板減少性紫斑病と同じように、血管内に血栓ができ、腎臓に障害がおこります。
小児に発症しやすい病気で死亡例もあります。
細菌はO157の発症後に溶血性尿毒症症候群になるケースが多く報告されています。
単純性紫斑病
単純性紫斑病は20代の女性に多く見られる病気です。
ふくらみはしこりなどはなく、痛みやかゆみもない痣ができます。
老人性紫斑病
老化が原因で起こる紫斑病です。
老化により血管がもろくなり、紫斑ができて色素沈着となります。
紫斑病の症状!
アレルギー性紫斑病の症状
アレルギー性紫斑病の場合も症状としては、出血を伴ったぽっこりした赤い点々状の発疹や痣のような紫斑が足やお尻に左右対称にできます。
子供に起こりやすい免疫異常により、全身の少血管炎です。
微熱やだるさが起こることもあります。
また、手足がむくんでしまったり、頭や顔もはれます。
紫斑に加え炊く60%の確率で膝や足に関節痛が起こります。
60%の確率で激しい腹痛や嘔吐、血便などが見られる場合もあります。
急性虫垂炎の症状と似ています。
紫斑ができてから約4週間以内に、50%の人が腎障害となる傾向があります。
重症な場合は、ネフローゼ症候群が合併してしまうことがあります。
すると慢性腎炎に移行しやすくなるため、数週間で紫斑や関節痛や腹痛は改善するものの、腎障害が起こると長期間の治療が必要となりますね。
頭痛やけいれんが起こる場合もあります。
血症が合併することもありますね。
特発性血小板減少性紫斑病の症状
特発性血小板減少性紫斑病の場合、血小板という出血を食い止める細胞の数が減り、出血しやすくなります。
一度出血すると、血が止まりにくくなリます。
点状の紫斑や歯茎からの出血、鼻血や血便、口腔粘膜出血などが起こります。
重症な場合は脳出血が起こってしまうこともあります。
子供の特発性血小板減少性紫斑病の場合、急性型が7,8割を占めます。
急性型の場合、6ヶ月以内に血小板の数が正常となり回復することがほとんどです。
しかし、稀に慢性化します。
紫斑病の原因は?
アレルギー性紫斑病の原因は?
アレルギー性紫斑病の場合、原因は不明とされています。
上気道感染やA群溶連菌、扁桃腺、ブドウ球菌、ウイルス、マイコプラズマ感染などに続き、発症する事が多いのは判明しています。
感染症や薬剤や食べ物が引き金となり、体内で抗体に対して免疫反応がおこることが原因といわています。
lgAという抗体との関係性がある疾患だと考えられています。そのため、ときにlgA血管炎などと呼ばれることがあります。
特発性血小板減少性紫斑病の原因は?
特発性血小板減少性紫斑病の原因もはっきりとはわかっていない状態です。
血小板に対し、自己抗体ができてしまうことが原因だと考えられています。
自己抗体は脾臓で自分の血小板を破壊し、血小板の数を減らしてしまうといわれています。
通常は抗体が身体の中でウイルスの侵入などに対して異物を排除するために作られます。
抗体が異物と結合すると、異物を除去することができます。
紫斑病の治療方法!
アレルギー性紫斑病の場合の治療法!
急性型のアレルギー性紫斑病の場合は、まずは安静にすることが大切です。
腹痛などがひどい場合は入院となる場合もあります。
紫斑病が発症するきっかけとなった病気の治療が行われます。
関節痛がある場合はアセトアミノフェンが使用されたり、湿布などを使って痛みを和らげます。
症状がひどい場合はステロイドを使用します。
腸管に潰瘍が見られた場合は、抗潰瘍薬が処方されます。
しかし重症な場合は免疫抑制剤、抗がん剤などが使用されるケースもあるといわれています。
紫斑病性腎炎になると、長期の治療が必要となるため、特定の薬を使用し続けるため、小児慢性特定疾患とされ、医療費の補助をうけることができます。
特発性血小板減少性紫斑病の場合の治療法!
風邪などの後に出血紫斑が見られた場合、特発性血小板減少性紫斑を疑う必要があります。
末梢血液検査が行われます。
血小板の数が減少する疾患がある場合は、骨髄検査が行われる場合もあります。
血小板が1万μL未満の場合、3万μL以上まで血小板の数を増やす必要があります。
血小板は減りすぎてしまうと、血が止まらなくなってしまいます。
止血ができるように、免疫グロブリンというものを大量投与します。
ステロイド薬が投与されることもありますね。
慢性化した場合脾臓の摘出が行われたと言う報告もあります。
特発性血小板減少性紫斑病の場合は、公費負担の対象となりました。
指定難病となっているので、医療費助成対象疾患です。
紫斑病の予防法は?!
子供の紫斑病を予防したいですよね。
しかし残念ながら紫斑病に特別な予防法はないのです。
日頃から健康に気をつけ、免疫力を高める生活を心がけましょう。
体温を高く保つことができると免疫力はアップします。
筋肉量を増やすことも体温があがり、免疫力が高まります。
適度な運動が大切ですね。
まとめ
子供の紫斑病は予防することができず、いつ発症してもおかしくない病気ですね。
特に2歳から8歳の男の子は発症率が高いので気をつけたいものです。
症状も様々ですが、見た目に痣ができるので、きになってしまいますね。
早く治してあげたいとおもうでしょう。
しかし焦りは禁物です。
慢性化してしまった場合などは治療に時間がかかりますが、保護者の子供のペースで焦らずに最後まで治療をしっかりとうけましょう。
痣ができおどろいてしまうこともありますが、アレルギー性紫斑病は決して珍しい病気ではないので大丈夫です。
病院で適切な処置をうけ、あまり心配することなく過ごしましょう。