葉酸で予防できる神経管閉鎖障害って何?!原因や症状や治療法!

妊娠初期症状として、神経管閉鎖障害というものが起こることがあります。
発生頻度は高くないものの、もし起こってしまった場合、胎児への重大な影響が及んでしまうものです。
神経管閉鎖障害を知らないという妊婦さんは少なくありません。
そこで今回は、神経管閉鎖障害について、原因や症状や治療法、葉酸での予防などについて詳しくご紹介していきますね。
目次
神経管閉鎖障害とは?
神経管閉鎖障害について、耳にしたことがないという妊婦さんは少なくありません。
神経管閉鎖障害(しんけいかんへいさしょうがい)は英語ではNeural Tube Defexctsといい、頭文字をとり、NTDと呼ばれることもあります。
神経管閉鎖障害は、妊娠4,5週目の妊娠初期に起こります。
神経管欠損症と呼ばれることもあります。
神経管とは、赤ちゃんが成長する上でかなり重要で必要なものです。
生命維持に欠かせない、脳、脊髄等など、中枢神経の元となるものです。
神経管閉鎖障害となると、字のごとく、神経管がうまく閉じません。
発症は葉酸の摂取不足の関係しているということが判明し、日本産婦人科学会や厚生労働省により、葉酸の摂取を予防のためにと推奨されるようになりました。
神経管閉鎖障害の原因は?
神経管閉鎖障害の原因としては、主に葉酸不足と遺伝と肥満の3つが挙げられます。
はっきりとはわかっていないものの、葉酸不足が赤ちゃんの細胞増殖と深く関係し、神経管閉鎖障害のリスクが高まります。
妊娠初期、赤ちゃんは新しい細胞がどんどん増えていきます。
この時、葉酸が不足してしまっていると、細胞の増殖が妨げられてしまいます。
細胞の増殖が妨げられると、神経管の形成に影響が及び、神経管閉鎖障害が起こってしまいます。
葉酸の不足は摂取不足ということもありますが、遺伝により葉酸が不足しやすい体質という場合もあります。
肥満の妊婦さんの神経管閉鎖障害が起こるリスクが高いと言われているものの、その理由ははっきりしていません。
しかし、肥満の場合は神経管閉鎖障害だけではなく、妊娠糖尿病や高血圧症候群のリスクが高まるため、気をつけなければいけませんね。
神経管閉鎖障害の種類と症状は?
神経管閉鎖障害の種類と症状についてです。
神経管閉鎖障害は、大きく分けると。2つの種類があります。
神経管の下部に閉鎖障害が起こるもが【二分脊椎】神経管の上部に閉鎖障害が起こるのが、【無脳症】となります。
お腹の赤ちゃんがに二分脊椎、無脳症どちらかを知るために、妊婦さんの血液を採取し、赤ちゃんの先天性疾患の可能性について調べ、母体血清マーカー(クワトロテスト)を行い、AFPという成分の高い値の測定が行われ検査されます。
あくまでも先天性疾患が起こる可能性、確率を予測する検査であり、確定診断ではありません。
確定診断のためには羊水検査が必要です。
神経管閉鎖障害の発症率は?
神経管閉鎖障害の発症率としては、1万人に約5,6人くらいだと言われています。
発症率は、0.05~0.06%です。
確率は高くありませんが、神経管閉鎖障害のリスクが高まる原因となる、葉酸不足や肥満には気をつけたいですよね。
二分脊椎と無脳症とは?
二分脊椎
通常脊椎の骨が脊髄の神経組織を多い、保護しています。
ところが、二分脊椎の場合、神経組織が脊椎の骨により覆われていません。
すると、神経組織が損傷してしまったり、癒着してしまいます。
それが原因で様々な症状が引き起こされ、腰椎、仙椎などの神経組織が壊れてしまいます。神経組織が壊れたところから下の部分に、障害が起こり、運動機能や知覚が麻痺したり、直腸や膀胱の機能に悪影響が及ぶこともあります。
神経組織のどの部分が損傷しているかにより、起こる症状は異なります。
症状の個人差が非常に大きいという部分も、二分脊椎の特徴となり、
起こった症状によっては、リハビリが必要となります。
無脳症
無脳症は、神経管の上部に閉鎖障害が起こり、脳の形成に問題が発生すると、無脳症となります。
無脳症は生命の維持に大きな役割を果たす脳幹が多く失われてしまいます。
健康な胎児と比べると、流産や死産の可能性が高くなってしまいます。
無事に生まれても、数日から数週間しか生きられないということも多いです。
神経管閉鎖障害はいつ分かる?検査方法について
神経管閉鎖障害の場合、妊娠4、5週頃に起こることがほとんどです。
しかし、実際に神経管閉鎖障害と診断ができるのは、二分脊椎の場合妊娠4ヶ月以上、無脳症の場合は妊娠11週目から14週目頃に判断できるようになります。
エコー検査で赤ちゃんの手、足、頭部などの特徴により診断されます。
母体血清マーカーの検査を受けると、AFPの値が高く測定され、診断の一助となります。
羊水検査が行われることもあり診断が確定しますね。
神経管閉鎖障害の治療法!
神経管閉鎖障害の中でも、二分脊椎の場合、治療により改善することはできませんが、運動機能の麻痺などに関しては、リハビリを行ったり、車椅子の利用を検討することととなりますね。
直腸、膀胱の機能障害に対しては、館長、洗腸、導尿などを行い、スムーズな排尿や排泄が促されることとなります。
無脳症の場合は、具体亭な治療法というのは発見されていない状態となります。
脳が欠損していても各臓器機能に問題がない場合、ママのお腹の中で亡くなってしまうということは少ないのです。
ところが、出生後、早くに亡くなってしまうケースは多いです。
そのため出生後の事を考え、人工中絶を選択をする場合もあります。
神経管閉鎖障害は葉酸の摂取で予防可能?!
神経管閉鎖障害は、葉酸を十分に摂取すると予防することができると言われています。
葉酸とは?
葉酸とは、ビタミンBの一種です。
細胞の中、ホモシステインのアミノ酸別のアミノ酸、メチオニンに変化するという現象に関わります。
メチオニンは、身体の組織を構成する細胞質と細胞の増殖に必要となり、DNA合成に重要な役割を果たしているのです。
そのため、葉酸の摂取は胎児の成長のためにものすごく大切で必要不可欠な物となります。
葉酸は、大豆製品、レバー、果物やほうれん草に多く含まれています。
葉酸の摂取量は?
一般的な女性の場合は、妊活中、妊娠の可能性がある時期(妊娠1.2.3ヶ月)は240μg、妊娠中(妊娠4ヶ月~)も240μgとなります。
そこに、妊娠の可能性がある時期(妊娠1,2,3,ヶ月)の場合は、付加推奨量として、400μgとなります。
サプリメントで摂取するとよい量となりますね。
妊娠中(妊娠4ヶ月~)の場合は、付加推奨量は240μgとなります。
そのため摂取量としては…
- 妊娠の可能性がある時期(妊娠1,2,3ヶ月)の場合・・・640μg
- 妊娠中(妊娠4ヶ月~)の場合…480μg
となります。
厚生労働省の場合、神経管閉鎖障害を防ぐことを目的とすると、妊娠1ヶ月前、妊娠3ヶ月までの女性に対し、食事と共に栄養補助食品により、1日当たり400μgの摂取が推奨されています。
妊娠4ヶ月移行の妊娠中の女性に対して、通常の推奨摂取量に+して、240μgの葉酸の摂取が推奨されています。
葉酸を摂取する以外の予防法!
葉酸が不足しやすい体質の場合がありますが、残念ながら対策するのは難しくなります。
肥満の場合は、普段の食事の内容を注意しましょう。
胎児にしっかりと栄養を届けるためにと食べすぎてしまうことがあるので、気をつけなければいけませんね。
つわりなどで特定のものだけを食べてしまうということもありますが、不足しやすいミネラルやビタミン、食物繊維を積極的に摂るとよいですね。
葉酸はサプリで摂取するのもOK!
葉酸は食事の中で積極的に摂取するとよいのですが、なかなか上手く摂取できないという場合は、サプリで摂取するのもおすすめです。
葉酸は、熱や水に弱いので、食事の中で摂取しても50%くらいしか吸収されません。
そこでサプリメントのちからを借りて摂取することで、十分な葉酸が摂取できるのでうsね。
葉酸の過剰摂取には注意が必要なので、サプリメントを使用する際は摂取の目安量を超えないようにしましょう。
まとめ
赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症率の確率自体は高くありません。
しかし、もし起こってしまった場合、胎児の身体には大きな影響が及びます。
念のために、神経管閉鎖障害を防ぐために、葉酸は十分に摂取したいですね。
葉酸の摂取、肥満を防ぎ、防止しましょう!