子供の心筋炎は風邪と間違えやすい!見分け方と検査方法や治療法!

子供の病気に、心筋炎というものがあります。
子供がかかりやすい病気なのですが、初期の症状は風邪とものすごく似ています。
そのため風邪と間違いやすく、悪化してしまうことがあります。
気づかずに悪化してしまった場合、最悪、命を脅かす危険性もあります。
聞き慣れている病気ではありませんが、発症する可能性も低くはなく、風邪と間違えやすいため、症状や対処法をしっかりと知っておきたいですね。
目次
心筋炎とは?どんな病気なの?
心筋炎は心臓の筋肉に炎症が起こってしまう病気となります。
心臓は全身に血液を送るポンプ役を担っていますが、心筋に炎症が起こってしまった場合、心臓のポンプ機能は低下し、心不全になった状態となってしまいます。
危険な不整脈なども起こります。
重大な病気の一種で、子供が罹る可能性がある病気です。
最悪の場合は死に至る病でもあります。
心筋炎には、様々な種類があります。
急性心筋炎、劇症型心筋炎、慢性心筋炎、拡張型心筋炎類似型などがありますが。主にウイルス性の急性心筋炎の場合が多いですね。
心臓に異常がないという場合も、急な発熱や咳や頭痛、咽頭痛や倦怠感などの初期症状が起こり、心筋炎であるという場合があります。
心筋炎の症状は?!
- 発熱
- 頭痛
- 咽頭痛
- 倦怠感
- 咽頭痛
- 吐き気
- 嘔吐
- 腹痛
- 下痢
- 動悸
- 胸痛
- 呼吸困難
- むくみ
- 顔面蒼白
- チアノーゼ
- 不整脈
- 失神発作
- 関節痛
- 筋肉痛
- 発疹
などの症状が起こります。
この場合は急性ウイルス性心筋炎となりますね。
心筋炎が起こる原因
心筋炎が起こる原因は、主に風邪と同じく、ウイルスにより起こると言われています。
しかし、稀にですが、インフルエンザウイルス、川崎病、膠原病が原因で起こることもあります。
アデノウイルスやヘルパンギーナなどのウイルスが原因となり発症するケースもあるので注意が必要ですね。
心筋炎の原因は、子供がなりうる一般的な病気が原因で起こってしまうことが多いのです。
風邪のウイルスが原因となる場合もあり早期発見がしにくい病気となります。
最悪の場合は命を落としてしまうというのに、気付きにくい病気なのです。
風邪が診断結果の場合でも、重大な病気ではないと安心しすぎず、注意深く様子を見て見守りたいですね。
心筋炎の症状と見分け方
心筋炎の症状と風邪との見分け方についてです。
風邪のような症状に加え、以下のような症状が見られるのが特徴となり見分けることができます。
- 胸の痛み
- 体のむくみ
- チアノーゼ
このような症状が見られる場合、風邪やその他の病気のウイルスが原因となり、心筋炎が発症している可能性があります。
ママもお医者さんですら初期症状だけでは心筋炎に気づくことができない場合がほとんどです。
風邪の症状と共に、徐々におしっこの量が減っている、湿疹や動悸、不整脈の症状などが起こった場合、いつもの風邪とは様子が違うという場合は、早急に受診し相談しましょう。
また、徐々に症状が起こり進んでいくというわけではなく、急激に症状が起こる激症型の場合、発症後に重症するまでの時間が短く、重症してから死に至る時間が極めて短くなってしまいます。
緊急を要する状態だなという場合は、救急車を呼ぶという手段も考える必要があります。
皮膚の色が紫色になるようなチアノーゼの症状がおこったりした場合、顔面蒼白が起こっている場合などは、迷わず救急車を呼びましょう。
心筋炎の検査方法
心筋炎を疑った場合、小児科を受診し、その後循環器科のある病院へ紹介されることがあります。
心筋炎の場合の検査方法としては、血液検査、胸部レントゲン検査、心臓超音波検査、心電図などにより検査が行われます。
血液検査
心筋炎になると、心筋が壊れてしまい血液中に流れるため、心筋特異的クレアチニンキナーゼ、心筋トロポニンなどが上昇するため、血液の検査が行われます。
胸部レントゲン
胸部のレントゲンは、心臓の影が拡大し、肺に水が溜まってしまいます。
肺うっ血が起こることもあるため検査します。
心電図
心電図の場合、時間の経過と共に、心筋の障害を疑わせる異常所見が明瞭となることが多いため、心筋炎が疑われる場合は心電図の検査も行われます。
心電図の波形の異常、危険な不整脈が確認できることがあります。
心臓超音波
心臓を包む巻くの中に、余計な液体が溜まってしまう心嚢液貯留と、心臓の血液を押す力の低下、炎症による心筋の浮腫が起こるため検査されます。
より詳しく検査するために、心臓MRI、CT、核医学検査、心臓カテーテル検査が行われることもあります。
心筋炎の治療方法
心筋炎の治療方法としては、抗ウイルス薬が開発されていません。
そのため、対症療法しかないという状態です。
心筋炎の中には、病状が急激に悪化してしまい、死に至ることもあるので、心筋炎と診断された場合は、入院した上で安静にし、心筋の回復を待つという形が取られます。
心筋炎により心不全や危険な不整脈が起こってしまった場合は、迅速な治療が必要となり行われます。
心不全の場合は、尿量を増加させるための利尿薬、心臓のポンプ機能を強めるための、強心剤を使用することもあります。
危険な不整脈の場合は、抗不整脈薬、電気的除細動が行われたり、一時的に体外式ペーシメーカーが使用されることもあります。
基本的に、対処療法で様子を見ますが、緊急的な処置が必要となる場合もあります。
それぞれ選択される治療法は異なり、医師からしっかりと説明を受け治療を受けましょう。
心筋炎の場合の対処法
心筋炎の場合の対処法としては、早期発見早期治療が一番大切な対処法となります。
早期発見により早期治療を行うことができれば、回復の経過は良好であり、後遺症も残らないことが殆どです。
風邪の症状の他に、心筋炎のような症状が起こって居ないかどうか、十分に確認し、症状が起こっているような場合は、早急に受診しましょう。
疑わしい場合も一応受診し相談したほうがよいです。
気になるものの、かかりつけでは心筋炎の心配はないと診断されても、パパママが様子がおかしいと思う場合は、思いきって他の小児科、内科に受診し相談するのも一つの手です。
心筋炎を防ぐための予防法
子供の心筋炎を防ぐための予防法としては、風邪やウイルスに感染しないことが一番大切なことですね。
手洗い、うがいを欠かさずに毎日行い、感染症を防ぎましょう。
季節性のインフルエンザなどの感染症が流行る時期の前には、予防接種などを受け、予防をしたいですね。
ただの風邪だと軽視せずに、様子を見て、重症化したり、胸の痛みや息切れや浮腫、顔色の変化などが見られた場合は、早めに小児科を受診し相談しましょう。
まとめ
子供の心筋炎はものすごく見つけにくい病気です。
しかし、早期発見しなければ、場合によっては悪化により死に至ってしまうこともある病気となります。
命を守るためにも、風邪であっても、その他の病気であっても、心筋炎が疑えるような症状が見られる、いつもと様子が違うというときは、もう一度受診してください。
チアノーゼや呼吸困難などが見られた場合が救急車を呼びましょう。
また、普段から、心筋炎の原因となってしまう風邪から始まる様々な病気を防ぐために、毎日手洗いうがいを徹底し、健康的な日々を送りたいですね。