子供の視力が低下?!異常をみつけるサインとは?斜視や弱視などを見逃さないために!
子供の視力の低下や、目に斜視や弱視などの異常がある場合、早期発見、早期治療を始めることにより、視力が回復する場合があります。
早い段階で症状に気づいてあげることがとても大切ですね。
子供の場合、視力に異常を感じても、なかなか上手に大人に状況を言葉で伝えることができません。
そこで今回は、視力の低下や目の異常が起きているときに子供が見せるサインや異常を見逃さないためのチェックすべきポイント等をご紹介していきますね。
目次
子供の目の異常?!
新生児の目も大人と同じような目を持ちます。
しかし、目に写ったものを大脳に届けるために必要な視覚伝導路という神経が未発達であるため、ぼんやりとしか見えないのです。
視界伝導路は、様々なことを見ているうちに刺激され発達していきます。
生後3ヶ月ころになると、徐々に発達してきた視界伝導路により、目でものを追うことができるようになります。
子供の視力は1歳ころで0.2から0.26、3歳で1.0程度となります。
6歳頃になると、大人と同程度の視力で見えるようになります。
斜視
子供の目の異常として、斜視というものがあります。
斜視は、左右の目線が一致していない状態ですね。
片方の目は正面を向いているのにも関わらず、もう片方の目は内側に寄っていたり、外側に寄っています。
内側に寄っている場合は内斜視、外側によっている場合は外斜視、上下に寄っている場合が上下斜視と呼ばれます。
斜視の原因として、片方の目が極端に遠視や近視の場合もあります。
目の周りの筋肉の異常があり、麻痺などが起こることもあります。
斜視を放置してしまうと、正常なほうの目に負担がかかってしまい、弱視につながることがあるため、早めに眼科に受診する必要があります。
弱視
弱視の場合は、視力を 矯正しても視力があがりません。
弱視の原因としては、
- 屈折異常によりピンとが正しく合わずに遠視や乱視が近視状態になっている
- 斜視により目線が一致していない
- 不同視により左右の視力に極端な差がある
- 形態覚遮断によりまぶたが下がっていたり、黒目がにごったり、白内障により網膜に光が入らない
弱視の場合は、早期治療で視力が回復する可能性があります。
治療法としては、メガネによる矯正、遮閉訓練、外科手術などが挙げられます。
子供の視力異常?!遠視・近視・乱視
目の構造はカメラによく似ています。
見ているものに合わせてピントを 替えます。
遠くを診たときに自然に網膜にピントがあう正視が理想的な視力となります。
しかし、このピントをあわせる位置が網膜から極端にずれてしまっていると
影響が出ます。
網膜の前にピントが合ってしまう状態が近視という状態です。
網膜の後ろでピントが合う場合は、遠視となります。
光の入り方により、ピントがある位置が変わってしまう場合は、乱視と呼ばれる状態となります。
遠視、近視、乱視についてsyお
遠視
遠視は目に良いイメージがありますね。
しかし、本来は遠くのものも近くのものも見えない状態となります。
軽い遠視の場合はピントをうまく調節することで見ることができるので、日常生活の中であまりひどく困らないため、視力検査などを行なうまで気づかないということも少なくアリません。
遠視の具合によっては、疲れやすかったり、集中力が思うようにつづかなかったり、寄り目になってしまったり、斜視になってしまうなどという症状が出てしまうこともあります。
極端な遠視の場合は弱視になってしまうこともあるので注意が必要です。
近視
近視の場合は近くのものは良く見えるものの、遠くのものがぼやけて見えてしまいます。
近視は遺伝が関係していると言われますが、日常生活での行動や生活環境などが原因となり近視になることが多い傾向があります。
正しい姿勢を心がけさせたり、外でよく遊ばせるようにすると、近視、視力低下を防ぐことができます。
乱視
乱視の場合は角膜のゆがみやひずみにより、遠視と近視が組み合わされている状態です。
そのためものが二重に見えたりします。
また、乱視の影響により肩こりや疲れなどが起こります。
乱視は補正レンズにより矯正することができるものの、角膜の病気などにより不正乱視という状態になると、矯正することは不可能となります。
子供の視力低下のサインとは?!
では子供の視力低下のサインとしてどのようなものがあるのでしょうか。
視線
まずは視線です。
対象物を正面から見るのではなく、違う方向から見ようとする場合、視力低下が疑われます。
見やすい角度でピントを合わせようとするため、違う方向から対象物を見ます。
視力低下または目の異常が起きていますね。
まぶしがる
必要異常にまぶしがるとき、光を見たときに、手で目を伏せたりする様子が見られる場合は、視力低下を疑う必要があります。
視力低下だけではなく、ドライアイや白内障、緑内障の可能性もあります。
目をこする
目をこする様子も目の異常、視力低下が疑われます。
視力が低下すると、目に過剰な力が加わり、目の周囲の筋肉が疲れます。
すると目の周りに違和感を感じるため、目をこすることが多くなります。
目をこすってしまうと、角膜に傷がついてしまうこともあります。
よごれた手でこすると、炎症を起こしてしまうこともあります。
角膜が傷つくと、さらなる視力低下や目の異常が起こってしまうので、こすっているときはやめさせるようにしたいですね。
テレビ、本に顔を近づける
0~1才児は視力がもともと弱いので、本やテレビに顔を近づけがちです。
しかし、1歳以降になっても本やテレビに近づきすぎてしまうという場合、視力低下を疑う必要があります。
つい近づいてみてしまうというのも、視力低下や目の異常につながるので、正しい姿勢で離れた位置でみせるようにしましょう。
遠くをみるとき
遠くをみるときに目を細める仕草が見られたら、視力低下を疑う必要がありますね。
目を細めることでピント調節をおこなっています。
目の疲れによる一時的な視力の低下につながってしまうこともあります。
斜視や弱視にも注意が必要となるので、目を細めることが多い場合は一度医師に相談したほうがよいですね。
上目遣い
上目遣いをする場合も視力低下や目の異常が疑われます。
眉をひそめる行為も同様です。
首をかしげる
首をかしげるようにして物体を見たり、顎をあげてみるような仕草が見られる場合、視力低下が疑われます。
見やすい視点に動かして見ようとしているのですね。
横目
物体をみるときに、正面からみるのではなく、横目で斜めから見ようとすることもあります。
左右で視力が違っているときによく見られる仕草で、どちらかの見やすい目で見ようとします。
一方だけでものを見続けることで、視力低下だけではなく、乱視や斜視の原因にもなるので注意が必要です。
片目を閉じる
片目だけでものを見るという場合、左右の視力に大きな差があると考えられます。
よく見えるほうを使おうとするため、見えないほうの目を閉じるクセがつきます。
片方の視線をさえぎる
どちらか一方の視線を遮られると、極端に嫌がります。
片方だけがよく見えている状態でよく見えている方を遮られると一気に視野が悪くなるため嫌がるのですね。
からだが傾く
ものをみるときに身体が傾く仕草も視点をあいやすく調整している姿です。
視力低下や弱視や斜視を疑う必要がありますね。
集中力が続かない
疲れやすかったり、集中力が続かないという場合も、視力が低下しているサインだと考えられます。
遊びや勉強に意欲的になれず、つかれやすく集中できません。
子供の視力低下や目の異常を防ぐ対策は?!
子供の視力低下や目の異常が見られた場合、より悪くならないためにも、症状に対する対処法や目を守るための対策をご紹介しますね。
ものを見る環境
ものをみる環境を整えることが大切です。
子供の視力は生活習慣の影響を大きく受けます。
視力の発達段階により、乳幼児期は様々な刺激を与えることで、両目でよく見えるように訓練しています。
そのため、子供にテレビを見せるときも長時間にならないようにきをつけましょう。
外で遊んだり、遠くをよく見たり、散歩をしたりするとよいです。
視野に良い刺激を与えましょう。
視力検査をうけよう
自治体が実施している検診や学校の視力検診などを必ず受けましょう。
目の異常、視力低下にいち早く気づくことができ、早期治療を受けるきっかけとなります。
眼科に受診
視力低下や目の異常に気づいたり、疑わしいと感じる場合は、一度眼科に受診し早めに医師に相談しましょう。
弱視や乱視の場合、治療の開始が早期だと、回復する可能性が十分にあります。
子供の視力の完成は6歳ころとなるので、異変を感じた時は早めに受診しましょう。
また、角膜炎やドライアイ、逆まつげなどの症状が見られる場合も、角膜に傷がついたり、細菌が繁殖してしまうこともあるの注意しましょう。
治療
適切な治療をうけることも大切です。
アイパッチ、矯正メガネなどを活用し、治療を受けることになります。
まとめ
子供の斜視や弱視などは、年齢が低いほど、回復する見込みがあります。
しかし、放置してしまうと、その状態で定着したり悪化してしまいます。
ところが子供は自分で自分の目の異常を大人に伝えることがかなり難しいものです。
周囲の大人が子供の目の異常サインに早く気づき、早めに治療に移りたいですね。
ささいなサインを見逃さないようにしましょう!