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新生児が自発呼吸できないことが?!病気?新生児への気管切開の手術方法

 2020/01/11 乳児
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出産中にトラブルが起こり、仮死状態で生まれてきてしまっている赤ちゃん、低体重で生まれてくる未熟児と呼ばれる赤ちゃんなどがいますよね。

すると、自発呼吸が上手にできない場合があります。

そこで今回は、生まれてきた赤ちゃんが自発呼吸ができなかった場合、どうなるのか、自発呼吸や手術、病気や症状についてご紹介していきますね。

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新生児は呼吸をさせることが最優先

まずは、赤ちゃんが生まれたら、呼吸をさせるということが最優先となります。

呼吸をしているか否かを確認することが何よりも先決です。

そのため、気道が閉じ、ふさがってしまっているというような場合、気道が狭い場合などは、呼吸がしっかりとできるように、気管内挿管が行なわれます。

気管内挿管もできないという場合は、緊急気管切開の手術が行なわれ、気道が確保されます。

気管切開について

気管切開は、呼吸不全になってしまった場合に行なわれる処置ですね。

呼吸不全に陥ってしまうと、痰などの自分の分泌物を吐き出すことができなくなってしまいます。

すると、吐き出せない痰などの分泌物が詰まってしまい、呼吸困難や窒息が起こってしまいます。

喉仏の下に穴を開け、穴から気管カニューレという気管用管を入れることで、痰などの分泌物を吸引し、肺へと空気を送ります。

将来的には、気管カニューレを抜き、気管切開を抜くということを考え穴を開けることなくスリットだけを入れるという方針の病院もあります。

気管カニューレの交換をスムーズに行なうために、穴をあけ、気管と縫い合わせるという方法の場合もあります。

病院に確認しましょう。

気管切開の目的は?

気管切開の目的は、3つあります。

  • 下気道の痰などの詰まりを取り除く

下気道にある痰や唾液などの分泌物を自力で吐き出すことができなくなってしまうので、つまらないように取り除く目的があります。

  • 気道のふさがりを防ぐ

上気道に問題があり、気道が閉じてふさがってしまうと危険です。

塞がらないように気道切開が行なわれます。

  • 呼吸ができるように…

呼吸ができるように管理するための目的として気道確保が行われます。

呼吸を確保するための気管切開ですね。

気管切開のメリット!

緊急の気道確保には、口や鼻から気管に管を通すための、気管内挿管という方法があります。

長期間、呼吸管理のためには、気管切開のほうが適しているとされています

また小さな子どもの小さな鼻や口に太い気管内挿管するということは不快感を伴うため、気管切開のほうが良いとされていますね。

また、太い管を長期間入れておくと組織が圧迫されてしまい、壊死や潰瘍などが起こることがあります。

しかし、気管内挿管は誰にでもできるわけではなく、ある程度の経験が必要です。

挿管しているチューブが抜けてしまった場合、低酸素状態となり、脳に深刻なダメージを及ぼしてしまうため、専門医による早急な対応が必要となります。

気管切開は気管内挿管に比べると、不快感も苦痛も少ないというメリットがあります。

また、食べにくさはあるものの、口から食事することも可能です。

痰や唾液などが気道に入ってしまうという誤嚥物についても吸入によりすぐに取り除くことができます。

更に、仮に状態が悪くなった場合、人工呼吸器につなげることもできます。

気管切開を改善した原因が改善された場合は、気管切開部分を閉じ、普通の口や鼻からの呼吸が可能となります。

気管切開のデメリット

では、気管切開のデメリットについてです。

気管切開のデメリットは、手術を行なわなければいけないため、出血や感染症が起こってしまいます。

気管に直接穴を開けるため、そこから細菌やウイルスが入りやすくなってしまいますね。

すると、気管支炎、肺で感染症が起こりやすくなってしまいます。

気管支炎や肺炎になりやすくなってしまうのですね。

また、気管カニューレという気管用管をいれて呼吸するため、気管内に肉芽というものができてしまう場合や出血などが起こることもあります。

呼吸をする時に空気が声帯を通らないので、鼻や口に空気が上手に抜けず、声が出にくくなることもあります。

しかし、スピーチカニューレという装置を使用すると、上手に話すことができます。

咽頭気管分離術について

咽頭気管分離術という、空気を送る道と食べ物が通る道を完全に分けるという手術があります。

気管切開をすると、食べ物や唾液が気道に入ってしまうことがあります。

すると、呼吸状態安定しないため、咽頭気管分離術が行われることがあります。

気管切開、咽頭気管分離術の違いとしては、気管切開は喉仏の下に穴を開け、気管カニューレを刺すだけなので、咽頭気管分離術の場合は気管を切断されます。

咽頭気管分離術は、気道と食道を切り離し、気道カニューレを取り付けるという方法ですね。

咽頭気管分離術のメリット

重篤な呼吸困難の場合、上気道狭窄と唾液誤嚥という2つの原因があります。

唾液誤嚥が起こると、唾液の中に細菌が含まれているため、肺の方へと細菌が回ってしまい、肺炎などが起こることがあります。

誤嚥性肺炎が度々起こると、肺へのダメージが大きく、呼吸機能が衰え、酸素、人工呼吸が必要となり、痰などの固まりが喉に支え、窒息してしまうこともあります。

そこで、咽頭気管分離術を行なうことで、気道と食道が切り離されるため、口や鼻から誤り気道に入ってしまうということはなくなります。

呼吸するための空気もしっかりと確保され、呼吸も楽にできます。

咽頭気管分離術のデメリット

咽頭気管分離術のデメリットとしては、声がでなくなってしまいます。

声帯の下に気道を切り離すと、呼吸をする歳、空気が声帯、口、鼻に全く空気が通らなくなります。

咽頭気管分離術は咽頭という部分に触れない術式なので、再手術でつなげれば、声を出すことができます。

また、傷口が化膿してしまうと、縫合不全となったり、肉芽ができてしまうといいう合併症が起こることがあります。

新生児の気管切開が必要な病気とは?

産まれてすぐに元気な産声をあげることができない、呼吸がうまくできないという場合、気管切開や気管内挿管などが行なわれることになります。

気管切開などが行なわれたのち、NICU(新生児特定集中治療室)で治療が続けられますね

気管内挿管ができない場合、気管切開が行なわれます。

緊急性がないと判断された場合は、十分首が座った生後6ヶ月以上、体重4キロ以上になってから気管切開が行われることもあります。

気管内挿管、気管切開が行われる可能性がある症状としては、

  • 咽頭軟化症などの未発達
  • 声門下狭窄など狭くなる
  • 脊髄性萎縮症などにより筋肉の低下
  • ミトコンドリア病リー脳症などのミトコンドリア異常

などの病気、症状が原因で行なわれます。

咽頭軟化症

咽頭軟化症は軽症の場合、1歳くらいで自然治癒します。

通常、硬い軟骨で構成されている咽頭がまだ未熟で柔らかいので、呼吸するたびに咽頭の構造、咽頭の中に引き込まれ、気道が狭くなります。

ゼーゼーと苦しい呼吸になったり、呼吸困難になってしまいます。

成長するに連れ改善されていくものの、症状がひどく、呼吸困難やチアノーゼが起こるというような場合は、気管切開などが行なわれます。

声門下狭窄

声門下腔、声門の下の気道が狭くなると、気管狭窄の一種ですが珍しい病気です。

基本的には自然に治るの待つしかありません。

治癒した段階で気管が縮まり、気管が細くなるため、太くする治療が必要となります。

狭くなっている場所の下を気管切開して、気管カニューレから直接呼吸をするという方法になります。

気管内挿管をした後、管が狭くなってることが原因で管が狭窄している部分を刺激し続けてしまうと、気管切開に切り替え、気管が大きくなるまで待つ必要があります。

数年後には、気管形成術を行い、気管カニューレを外すことで、口、鼻から呼吸ができます。

脊髄性萎縮症

S頸髄の運動神経細胞の異常に起こります。

劣性遺伝性疾患、筋萎縮症、小児期に発症するものとなります

発症した年齢、重症度により、Ⅰ型からⅣ型までに分けられます。

新生児の場合、ママのお腹にいるときから生後6ヶ頃までに発症するものをⅠ型とし、脊髄前角細胞が失われてしまうことが原因となります。

筋肉が萎縮していく病気だり、体に力が入りません。

ミルクを飲むことも難しくなったり、呼吸もしにくくなってしまうため、人工呼吸器をつけ、生命維持をする必要があります。

気管内挿管、気管切開などの方法により、呼吸管理が行なわれます。

乳児に発症した場合、成長と共に運動機能を取り戻すこともあります。

ミトコンドリア病リー脳症

ミトコンドリア病リー脳症は、男女関係泣く、生後から2歳ころまでに発症することが多い病気です。

人間の細胞の中にあるミトコンドリアに異常があり、正常に働かなくなってしまいます。

ミトコンドリアは人間のすべての細胞に存在し、糖分をエネルギーに替えてくれます。

ミトコンドリアが正常に働けないと、体を動かすエネルギーが足りずに成長が難しくなってしまうのです。

合併症などが起こると、エネルギーが足りていない状態で踏ん張らなければいけません。

意識障害、発育発達の停止、筋力低下、呼吸障害、知的発達の衰退なども起こります。

症状の現れ方は、その子その子で違うのですが、呼吸不全や無呼吸となってしまうことが多いため、気管挿管、気管切開などにより人工的に呼吸を管理する必要があります。

まとめ

産まれて間もなく、呼吸が上手にできないという場合、これから生きていくための最優先事項として、呼吸の確保が行なわれます。

その際、鼻や口からの気管内挿管もありますが、赤ちゃんの小さい鼻や口にとっては、気管切開のほうが良いと判断され行なわれることがあります。

もちろん、呼吸が上手にできない原因が判明し、改善されれば、気管切開した部分は閉じられ、通常の自発呼吸で過ごすことができるようになりますね。

まずは呼吸をして命をつなげるための大切な処置でした。

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