産後に起こる体の変化に慌てずに対処し早く元の状態に戻すには?

通常分娩で出産すると、無事に出産できてよかったと思われがちです。
通常分娩で出産し、母子ともに健康と診断されます。
そのため、母子ともに健康だと、通常1週間程度で退院となります。
しかし、通常分娩でもママの体には大きな変化が起こっており、出産により受けるダメージは想像以上のものです。
出産より産後の方がしんどかったというママもいるので侮ってはいけません。
そこで、今回は産後に起きる体の変化や対策について詳しくご紹介していきますね。
目次
産後の体の変化は?
赤ちゃんを出産するということはお母さんにとって大仕事であり大きなダメージを受けます。
自分ではあまり自覚していなくても、身体には大きなダメージを負い、傷ついている状態です。
産後は、ゆっくりと妊娠前の万全な体へと回復しようとし、様々な変化、症状が起こります。
誰にでも起こる産後の体の変化について説明します。
産後に起きる体の変化!後陣痛とは?
まず、代表的な産後の体の変化、症状として後陣痛があげられます。
お腹の中で赤ちゃんと共に子宮が大きく成長します。
すると、出産を終えたあと、子宮は妊娠前の大きさに戻ろうとします。
しかし、このとき大きくなった子宮が小さく戻っていく過程で痛みを感じます。
この痛みが後陣痛です。
子宮が完全に収縮するまでには3~4週間かかります。
この間、母体は安静に過ごすことが大切です。
痛みには個人差がありますが、生理痛程度の痛みの場合はまだ軽く、ひどい場合は本陣痛くらい痛い、本陣痛よりも痛い、立つこともままならないくらい痛む場合もあります。
子宮の収縮具合が良いと、3日位で痛みが治まります。
子宮の収縮を促し、早く痛みから解放されるために一番よいのは授乳だと言われています。
授乳することにより、子宮が刺激されるため後陣痛の痛みは強くなりますが、子宮の収縮が促されるため痛みから早く解放されます。
また、産後すぐの授乳は赤ちゃんにとって非常に良いものですから体は辛いですが、なんとか出せたらいいですね。
産後に起きる体の変化!悪露とは?
出産時に排出される悪露や子宮の内容物、血液などを悪露といいます。
生理の血液量よりも大量なので、通常のナプキンでは抑えられません。
産後用のパットや産褥ナプキンを使用する必要があります。
出産後3~4日の悪露は、赤く血液のような色をしています。
その後、徐々に褐色がかり、最終的に透明色となります。
悪露の色の変化は、子宮の収縮経過を知ることができるバロメーターとなります。
悪露が出ている間は、子宮口がしっかりと閉じていない状態です。
そのため、感染予防に努める必要があります。
清潔を保つようにしましょう。
悪露が出ている間はパットをこまめに交換し、清潔を保つことが大切です。
交換する歳に消毒綿などで丁寧に拭いてから交換することで、より清潔を保つことができるのでおすすめです。
子宮の収縮が落ち着き、後陣痛が収まってくると悪露の量も減ってきます。
ほとんどの場合、4~6週間ほど悪露は出続けます。
しかし、量が減ってくれば産褥ナプキンではなく、通常ナプキンで押さえられるようになってきます。
赤ちゃんと一緒に受ける1ヶ月健診で、お母さんの悪露の状態、子宮の収縮具合の確認なども行われます。
悪露の量がなかなか減らない、色が薄くなっていかない、など異常がある場合は、医師に相談しましょう。
産後に起きる体の変化!産後うつとは?
産後のお母さんに起こる変化は体だけではなく心にも起こります。
産後うつは、出産してから1ヶ月ころまでに起こります。
原因は、ホルモンバランス乱れによるもので、出産を終え落ち着いたものの、すぐにハードな育児が始まり、身体の不調も続き、精神的なバランスも乱れてしまいます。
症状は様々ですが、産後うつによって起こる傾向がある症状としては、涙もろくなる、イライラする、不安感が大きくなるなど、様々な症状が見られます。
また、産後うつに気づかずに放置していると悪化し、食欲の衰退、不眠など、育児ノイローゼにつながってしまうこともあるので、心の不調を産院や育児相談窓口などに相談することをおすすめします。
産後うつの時は、周囲の人の理解がとても大事になってきます。
ママが、家事をやらずにリフレッシュしたり、たくさん睡眠をとっていると、さぼっていると見られることもあるかもしれませんが、この時期は心と体の回復を最優先にしていることを周囲の人に理解してもらいましょう。
パパに育休をとってもらってサポートしてもらうのもよいかもしれませんね。
産後うつは、産後の生理が始まりホルモンバランス整うと、気持ちが落ち着いてきますのでそれまで頑張りましょう!
産後に起きる体の変化!授乳の準備とは?
産後は、お母さんの体で授乳の準備が始まります。
産後の1日~3日ほど、初乳という黄色みがかった母乳が出ます。
初乳は、赤ちゃんに必要な栄養価の高い成分や免疫抗体などがたっぷりと含まれています。
産院などでも必ず赤ちゃんに飲ませるようにと指導される事が多いです。
その後は、白っぽい母乳に変化します。
授乳をすることにより、子宮が刺激され後陣痛が強くなりますが、子宮の収縮を促すことにより後陣痛が早く治まります。
最初はうまく母乳が出ないこともありますが、根気よく吸わせることで母乳の出がよくなったり、赤ちゃんも吸うのが上手になって母乳育児を続けることができます。
母乳育児が始まると、おっぱいではどんどん母乳が作られますので、赤ちゃんに飲んでもらわないとおっぱいが痛くなってしまうことがあります。
そうなる前に、適度に搾乳する必要があります。
搾乳器もたくさんの種類があり、合う、合わないがありますので、入院中に病院がおすすめしている搾乳器をいくつか試させてもらえますので聞いてみてください。
搾乳した母乳は、フリーザーパックに冷凍保存しておくこともできますので、保存方法や保存日数など細かく教えてもらっておくと良いですよ。
母乳がおっぱいの中でしこりのように固くなってしまった場合は、おっぱいマッサージでほぐすこともできますが、ものすごく痛いです。
おっぱいが固くなった時は、母乳を赤ちゃんに飲んでもらうのが一番良いです。
飲ませ方のコツは、しこりのように固くなった部分に赤ちゃんの顎をあてて飲ませることです。
ちょっときつい体勢での授乳になることもありますが、これで固くなった母乳がなくなりますので、ぜひ試してみてください。
産後に起きる体の変化!体重の変化とは?
出産すると出ていたお腹も元に戻りだします。
出産直後に減少する体重は5~6キロほどです。
その後、徐々に皮下脂肪が減少していき、体重が戻ります。
すぐに戻らないからといって焦らないでくださいね。
産後1~2ヶ月間ほどかけて、徐々に産前の体重に近い状態に落ちていきます。
また、母乳育児を続けていくと栄養素が赤ちゃんの方へも送り届けられるため、自然に体重は減ってきます。
無理な運動や過度な食事制限などは必要ありません。
ただし、水分不足になりやすいので、水分はこまめにしっかりと摂取しましょう。
産後に起きる体の変化!骨盤の変化とは?
妊娠中、分娩時も、赤ちゃんが骨盤の間を通りやすいように骨盤は開きます。
その状態を元も戻さないと、骨盤がずれて歪んでしまいます。
すると、腰痛や股関節の痛みや背中の痛みなどが起こりやすくなります。
正常な位置に骨盤を戻すための産後ガードル、骨盤ベルト等を活用する必要があります。
骨盤のずれは、後に身体の様々な不調を引き起こす原因となったり、体型が崩れてしまう原因となるので注意が必要です。
気になる人は、骨盤体操、骨盤矯正等も取り入れてみると良いですよ。
産後の体の変化!早く元の状態に戻すには?
通常分娩でも、産後のお母さんの身体には大きなダメージを受けています。
自分自身が思っているよりも大きな負担、ダメージを受け傷ついています。
産後すぐに休む隙もなく、ハードな育児が始まるため、「自分のためにゆっくりと過ごしている時間なんてないよ。」とおもいますが、できるだけ安静にゆっくりと過ごすようにしましょう。
赤ちゃんが寝ているときや落ち着いているときは自分も横になるようにしたり、一緒に眠ったりして身体を十分に休めましょう。
母体が産前の状態に戻るまでの期間、産褥期と呼ばれる分娩後約6週間~8週間の期間はゆっくりと安静に過ごす必要があります。
産褥期にしっかりと休まずに無理してしまうと、その後の体調不良の原因となってしまいます。
パートナーや家族の手も上手に借りながら、身体をやすめてあげたいですね。
疲れたとき、辛い時は、遠慮なく周りに声をあげましょう。
まとめ
通常分娩後、母体には様々な変化が起こります。
異常や不調などは我慢せずに医師や助産師に相談することも大切です。
めまぐるし変化に身体も心も疲れてしまいますが、上手に休息をとりながら、身体を回復させていきましょう。