乳児院とは?入所方法や入所理由は?期間や入所後はどうなるの?

乳児院は言葉は知っているものの、どんな場所なのかはよく知らないという人が少なくありません。
保育所のように赤ちゃんを預かってもらえる場所と認識している人も多いですね。
そこで今回は、乳児院はどのような施設なのか、入所理由はどのようなものがあるのか、在所できる期間や入所後のことにいついて詳しくご紹介していきたいと思います。
目次
乳児院はどんな施設なの?
ではまずは乳児院とはどのような施設なのでしょうか。
親との生活が困難な施設
乳児院は何らかの理由により、親との生活が困難な場合、子供を保護したり養育するための施設となります。
預けることができる理由としては、親が病気で死亡した場合、経済的な理由がある場合、虐待などの場合もあります。
子供の養育を続けることが困難であると判斷された場合、乳児院で保護し、生活を24時間体制にて養育されます。
新生児から2歳までの子が生活する
乳児院は主に新生児から2歳時くらいまでの乳幼児が主体となり生活しています。
基本的には小学校の修学前までが対象となります。
施設によっては就学前の子供が多く在所していることもあります。
小学校の入学時期になった場合、児童養護施設の判断により、他の児童養護施設に移ることが多いです。
たくさんの職種のチーム体制で育てられる
乳児院では、保育士、管理栄養士、看護師、医師など、様々な職種の人たちが、チームとなり子供達を育てています。
乳児院に預けられる子供は、産まれてまもない新生児の場合もあります。
虐待などの影響で体の状態、栄養状態が悪いこともあります。
障害を持っているということもあります。
そのため、様々な面で子供を養育していく必要があるのですね。
専門的な知識を持つ業種の人たち、職員が情報交換を行いながら、一体となり子どもたちと関わります。
親の病気・入院・出産などにより一時的に…
乳児院では親の出産や病気、入院などにより、一時的に子供を預かってもらうことが出来る機能もあります。
家族や両親に預けることができない人達にとって、とても助かる無くてはならない存在です。
24時間体制で育てる
乳児院では、24時間体制で子供を育てます。
保育園の場合は、1日に数時間預かって保育が行なわれますね。
一方乳児院の場合は、親に変わって24時間子供を養育します。
夜間でも、休日でも、年中無休で関係なく、保護者に変わって子供を育てます。
子供を預かるだけじゃない親子再統合支援とは?
乳児院の役割は子供を預かるだけではありません。
親子を再統合するための支援も行なわれています。
保護者支援
乳児院では子供を預かるだけではなく、保護者支援も行なわれています。
保護者支援の方法としては様々な方法があり、それぞれに置かれた状況により異なります。
子供にとって、実の親と暮らすことが一番です。
そこで、将来的に実の親と子供が一緒に暮らせるようにと、定期的に面会する時間を設けたり、親と子供の関係性を大切にしながらサポートが行なわれます。
退所後のアフターケア
乳児院に入所している間だけではなく、退所した後のアフターケアも行なわています。
退所後に親元に帰る子供の場合は、帰った後に家族に溶け込むことができているか、親との信頼関係をうまく気づくことができているかなどをしっかりと見ていきます。
また、他の施設に移ったあとも、状況や周囲との関係性をしっかりと見守り続けます。
育児相談
乳児院に預ける家族以外の地域の育児相談も担当しています。
子育ての中で疲れてしまった場合、誰かに話しを聞いてもらいたいとき、子供の成長に不安を感じているときなどに、子育てについての相談をすることができます。
子育て中のママにとって、ありがたく頼りになる存在となりますね。
乳児院に入所するためにはどうしたらよい?
全国に131箇所の乳児院がある
乳児院は全国に131箇所あります。
各都道府県に必ず1箇所以上はあります。
入所するためには児童相談所へ
乳児院に入所するためには、まずは児童相談所に相談しに行く必要があります。
子供のことについて、どんなことでも相談することが可能です。
児童相談所により入所が認められた場合、乳児院に入所させることができます。
費用は公費
乳児院に預ける際に必要な費用としては、基本的には公費でまかなわれているので、実質必要な費用を乳児院から請求されることはありません。
しかし、家庭の収入に応じて、都道府県から個人的に負担が発生する場合はあります。
乳児院に入所する主な理由とは?
乳児院に入所する子供の主な入所理由についてです。
親の病気や死亡
親の病気や死亡が原因で子供を乳児院に預けることがあります。
子供を養育できないことが理由ですね。
特に母親が病気になった場合に入所することが多いです。
経済的な理由
経済的な理由により入所する子供も多いです。
子供を育てるためにはある程度のお金が必要となります。
しかし、子供を健康的に育てることができない、経済的に厳しいという場合は乳児院に預ける必要がありますね。
捨て子
様々な事情により、児童養護施設や病院、路上などに子供をこっそしと置き去りにされてしまった場合、乳児院で生活しています。
赤ちゃんポストで受け入れる乳児も乳児院などに引き取られます。
捨て子の場合は実の親が分からないことがほとんどです。
虐待
虐待により子供が入所することも少なくありません。
虐待は体的な傷だけではなく、精神的な傷を負っていることも多いです。
そのため、その後の関わりかたはものすごく大切です。
信頼関係や愛着の形成について強く求められる傾向があります。
私生児
法律所、婚姻関係のない男女の間に生まれた子供を私生児とよびます。
私生児の場合、社会的立場、経済的理由などにより育てることができないと放棄されてしまい、乳児院に入所することが多いです。
乳児院に在所する期間とは?
乳児院に在所する期間としては、平均は1年1ヶ月程度となります。
1ヶ月未満の場合が全体の26%、6ヶ月未満の場合は約50%です。
乳児院を出たあと、子供はどうなるの?!
では乳児院を出たあと、こどもはどうなるのでしょう。
親元へ
乳児院を退所した後は、親の元へ帰るという形が一番の理想とされています。
しかし、現実は親元に帰るということは多くない状態です。
親元に無事に帰ることができた後でも、関係性がうまく成り立っているどうか、重要視される点です。
里親に引き取られる
乳児院を退所した後は里親に引き取られることもあります。
里親の場合は、戸籍上のつながりはないものの、自分の子供を家庭に迎えいれ、養育が行なわれます。
児童養護施設
乳児院を退所したあと、親元に帰ることも難しく、里親も見つからなかった場合は、児童養護施設に移動することになります。
児童養護施設は乳児院と同じような理由により、20歳以下の子供達が生活しています。
児童養護施設に移っても、可能な場合ば親元に帰ることを目指します。
しかし現状は親元に帰ることは難しいケースが多いですね。
まとめ
乳児院には様々な理由により入所する子供が多くいます。
本当の親と一緒に生活することが子供にとっては一番の幸せです。
しかし、一緒いいることにより、子供の体や心に傷がついてしまうような場合は、入宇治院や児童養護施設での保護や養育が必要となります。
子育てをしやすい環境が少しずつ広がり、幸せに過ごすことができる子供が増えるとよいですね。