切迫早産でマグセントの処方?効果や胎児への影響は?副作用も…!?

妊娠中、切迫早産となり医師に判断されると、赤ちゃんが早く生まれるのを防ぐために、子宮収縮抑制薬を処方されることがあります。
その場合、様々な薬が処方されることがあるのですが、その中の一種にマグセントというものがあります。
マグセントはウメテリンという薬では十分な効果を得られないという場合に処方される薬です。
そこで今回はマグセントの効果や胎児への影響、副作用についても詳しくご紹介しますね。
目次
マグセントとは?
マグセントは切迫早産と診断された妊婦に対して投与される薬です。
子宮の収縮を抑制するための薬となります。
妊娠22週目以降に切迫早産の診断された場合に使用され、他にも様々な子宮収縮剤がありますが、マグセントは他のモノよりも強い作用のある薬です。
基本的に、リトドリンやウテメリンという薬の主成分はリトドリン塩酸塩というもので、それらの薬により切迫早産を防ぐことができないという場合、マグセントを処方されます。
また、リトドリン塩酸塩が主成分となる副作用が強く出てしまう場合、ウテメリンやリトドリンの投与ができないため、マグセントが処方されることがあります。
マグセントの製造販売元では、原則として、妊娠35週目以下、推定体重2500g未満
の切迫早産へと使用が望ましいとされている薬となります。
マグセントから得られる効果
マグセントという薬の主成分は硫酸マグネシウムとなります。
元々は硫酸マグネシウムは妊娠高血圧症候群の人に起こる傾向のある、子癇発作というものを抑制するため、予防するために使用されていた薬です。
ところが同時に、子宮収縮抑制効果もあるということが判明したことにより、妊娠22週目以降に切迫早産の診断された際の治療薬としても用いられるようになりました。
切迫早産の患者を対象とした国内臨床試験では、マグセントの投与開始から、約8時間で83.5%もの改善が見られたというマグセント製造販売元の結果もあります。
マグセントの用法用量とは?
マグセントの用法用量としては、無色透明な液体が瓶の中に入っています。
それを静脈内に点滴で投与するという方法が基本的な用法となります。
一般的には40mlのマグセントを約20分ほどかけて点滴で投与します。
毎時間10mlずつポンプを使用し継続的に投与が行われます。
しかし、それでも子宮収縮が抑制されないという場合は、毎時間5mlずつ量が増やされます。
最大20mlまで調節しながら経過観察されます。
点滴投与中は血中マグネシウムの濃度を慎重にモニタリングされ、副作用に十分注意して使用することとされています。
マグセントにて起こる副作用とは?
マグセントにて切迫早産の抑制への高い効果が見込めるものの、副作用が起こるリスクもあるのです。
国内臨床試験では、マグセントを投与したケースの中で、約7割は副作用が起こっているのです。
副作用は…。
- 熱っぽく感じる
- 口の中が異様に乾く
- 顔が赤らむ
- 皮膚が赤くなる
- 倦怠感
- 動作が思い通りにできなくなる
- 吐き気
- 便秘や下痢
などの症状が起こります。
また発症率は低い副作用としては
- マグネシウム中毒による呼吸困難
- 心肺停止
- 呼吸不全
- 心電図異常
- 横紋筋融解症
- 肺水腫
などの重い症状が起こってしまうことも稀にですがあるので注意が必要です。
もし、投与中に異変や起こったり、痛みなどにより違和感に耐えかねる時は、早急に医師に相談しましょう。
異変が起こった場合、医師に相談すると、点滴量を少くしたりなどの対処が行われます。
マグセントにより胎児への影響は?
マグセントにより胎児への影響も報告されています。
生まれてくる赤ちゃんの予後にも影響は及ぶことがあります。
妊娠中、マグセントを母体に投与すると、胎児の胎動の低下が起こることがあります。
新生児の場合は心不全、低カルシウム血症、高カリウム血症が起こることがあります。
マグネシウムイオンは胎盤を通りぬけ、赤ちゃんに影響が及ぶことがあるのです。
マグセントを分娩前に24時間以内に投与すると、赤ちゃんが高マグネシウム血症となり、筋緊張低下、呼吸障害などが起こるリスクがあります。
その場合、生後24時間~48時間、医師による監視が行われます。
また、影響を受けることがあっても、産後の治療により改善されるということで、心配ですが医師と相談しながら、過度に不安になりすぎず使用したいですね。
胎児への影響はありますが、マグセントを使用することは母体にとっても胎児にとっても最善策であると考えられたときだけ処方されるので安心して使用しましょう。
マグセントをウメテリンと併用することはある?
マグセントとウテメリンを処方されたという場合、併用することはあるのかどうか心配ですよね。
マグセントはウメテリンよりも強い薬です
あまり強い薬を使わずに切迫早産を改善し妊娠を継続したいですよね。
そのため、ウメテリンとマグセントを併用し、できるだけ強い薬を使用せずに切迫早産を乗り切るということはあります。
マグセントを使用しても効果が得られない場合は…
マグセントを処方されたのにも関わらず、それでも切迫早産の改善が見られない、効果が得られないという場合は、それ以上の治療法がなくなってしまっています。
治療で切迫早産を改善し妊娠を継続させることはできないため、陣痛や破水が起こった時点で出産をするという形になります。
効果がない時にママができることとは…?
マグセントを使用しても効果が得られないという場合、医療的な治療がこれ以上できないものの、諦めずにママができることがあります。
- 話しかける
赤ちゃんに向かって話しかけてあげましょう。
まだ出できちゃダメよー!
もう少しお腹にいてね!
などと話しかけるとよいです。
- ストレスを溜めないようにする
切迫早産を防ぐためには、入院をして絶対安静となります。
トイレ以外は立ち上がれないというような状態で寝たきりです。
そのため、ストレスが溜まってしまいやすいのです。
しかし、ストレスは大敵です。
好きな音楽をイヤホンをして聴く、好きな香りをマスクに垂らして着用し、気持ちを落ち着かせるなどにより、ストレスを溜めないようにしたいですね。
- 体を冷やさないようにする
体を冷やすことはよくありません。
マグセントの副作用で体が火照っていると暑いように感じることもありますが、あまり冷やさないようにして過ごしましょう。
まとめ
マグセントは切迫早産を抑制し、妊娠を継続させるために大切な薬の1つとなります。
副作用に悩まされてしまう可能性もある薬なので使用には十分な注意が必要となります。
子宮の収縮を抑制し、赤ちゃんが早く生まれてきてしまわないようにするためにはものすごく大切な処置ですが、処置中に辛い症状が起こってしまっている時 などは、担当医や近くにいる助産師産などに早急に相談し対処してもらいましょう。
我慢すると危険なので、我慢せずすぐに伝えてくださいね。
マグセントの点滴投与には副作用や赤ちゃんへの影響もあるため、ものすごく不安に思ったり心配になってしまうこともあるでしょう。
しかし、十分な医療体制が確保された状態で使用されるようになっています。
不安になってしまいますが、医師に相談したりたくさん質問して不安を取り除いたり、落ち着いて投与を受けましょう。
胎児への影響もありますが、出産後の治療で良くなります。
治療を乗り越えれば赤ちゃんの成長は進み、元気な赤ちゃんと対面できますよ♪
入院中は出来る範囲での好きな事をしたり、赤ちゃんに話しかけながら、ゆったりと過ごしましょう!