出生前診断の検査方法や費用は?行う時期やメリット!問題点もある?!

妊娠した際に、出生前診断についてを考えるパパママは少くないのです。
出生前診断は生まれてくる前の赤ちゃんの状態を検査する方法ですね。
出生前の赤ちゃんを検査するということに様々な意見もあります。
受けるか受けないかということの前に、まずは出生前診断について詳しく知っておくとよいですね。
そこで今回は、出生前診断の検査方法や必要となる費用、検査を受けることができる時期やメリット、問題点などについて詳しくご紹介していきます。
目次
出生前診断とは?
出生前診断は、胎児の遺伝性の病気、先天性の病気、染色体異常、奇形などについて詳しく調べる検査となります。
生まれる前の胎児をエコーで検査していても、異常がないかどうかは詳しくはわかりません。
胎児の心拍、羊水量などはチェックできますが、染色体の異常や重い病気について確認することはできません。
そこで、異常を早い段階で知るということで、出生前診断が行われるのですね。
出生前診断の種類とは?
出生前診断の種類は主に5つあります。
- 胎児スクリーニング検査(胎児ドック)
- 母体血胎児染色体検査
- 母体血清マーカーテスト
- 羊水検査
- 絨毛検査
また、日本では認可されたばかりであるNIPTという検査が新型出生前診断として区別されることもありますよ。
出生前診断は希望したからといって誰でもが受けられるわけではありません。
日本産婦人科学会では、適正な遺伝カウンセリングを提供したうえで実施されるべきと見解が示されています。
出生前診断の検査方法!種類や必要な費用も!
出生前診断の検査方法がいくつかあり、それぞれに内容や費用に違いがあります。
胎児スクリーニング検査
胎児スクリーニング検査の場合、通常の妊婦健診で行われる超音波検査とは違う検査となります。
通常妊娠初期と妊娠中期の1回ずつ検査を受けることができます。
妊娠初期の場合は染色体異常がないか、妊娠中期の場合は、胎児の体や臓器の形に異常がないかというチェックとなります。
日本では胎児スクリーニング検査が実施されている病院は少ないもののあります。
費用
費用は2~5万円程度となります。
母体血清マーカーテスト
母体の血液が胎児の体で生成されているホルモンの濃度を調べます。
胎児の染色体異常がないかどうかの検査です。
検査では血液中の成分3つを調べる場合はトリプルテスト、4つ調べる場合はクワトロテストと呼ばれます。
検査の結果が陽性だった場合、確定診断のための羊水検査を後に受けることが多いです。
費用
費用は1~2万円程度で行うことができます。
絨毛検査
絨毛検査は妊婦さんのお腹に針を刺して行う検査と子宮頚部へカテーテルを挿入して胎盤から絨毛を採取する検査方法があります。
胎児の染色体異常、遺伝子異常について調べます。
比較的に早い時期から行うことができる検査で、染色体、遺伝子異常について、ほぼ100%の確率で判明します。
しかし、母体と胎児にわずかな負担がかかるというのは否めません。
費用
費用は10~20万円ほどかかります。
NIPT
NIPTは新型出生前診断とも呼ばれています。
NIPT=母体血胎児染色体検査は、母体の血液を採取し、胎児の染色体に異常がないかどうかを調べる方法です。
確定診断ではなく、陽性がでた場合は羊水検査が行われることが多いです。
NIPTの場合、条件を満たしていないと検査を受けることができません。
以下の条件を満たしていると検査を受けることができます。
- 胎児超音波スクリーニング検査、母体血清マーカーテストにて胎児の染色体の数に異常があると結果がある
- 高齢出産
- 過去に染色体異常のある赤ちゃんを妊娠した経験がある
- 両親どちらかが均衡型ロバートソン転座という染色体異常がある。胎児が13トリソミー又は21トリソミーの可能性があると指摘されている。
費用
費用は20万円前後となります。
羊水検査
羊水検査は母体のお腹に針を指します。
採取した羊水の成分により、胎児の染色体異常、遺伝子異常がないかどうか検査されます。
絨毛検査と同じく、精度はほぼ100%です。
しかし、母体と胎児にわずかなリスクがあります。
受けるか否かは慎重に検討しなければいけませんね。
費用
費用は10~20万円となります。
出生前診断を行う時期は?検査の流れ
出生前診断を行うことができる時期は検査方法により異なります。
妊娠初期からできる出生前診断とは?
妊娠初期にできる検査は非確定検査の場合
- 初期胎児ドック…妊娠11週目頃から13週目頃
- 初期母体血清マーカーテスト…妊娠11週目~13週目頃
- NIPT…妊娠10週目以降から
確定的検査の場合
- 絨毛検査…妊娠11週目以降から
妊娠中期から出来る出生前診断とは?
妊娠中期からできる出生前診断は非確定検査の場合
- 中期胎児ドック…妊娠18~20週目から
- 中期母体血清マーカーテスト…妊娠15週~20週目から
確定的検査の場合
- 羊水検査… 妊娠15、16週目以降から
出生前診断を受けるメリット!
出生前診断を受けることについて、賛否両論があります。
そこでまずメリットからご紹介していきますね。
日本産科婦人科学会の産科ガイドラインを元に…。
出生前診断の目的は【染色体異常や遺伝性の病気にかかっている赤ちゃんの予後を向上すること】となります。
出生前診断を受けることにより、先天性の病気、染色体異常の可能性が高いと診断された場合、予め知っておくことで、赤ちゃんが生まれてくる前から赤ちゃんは心の準備をしておくことができますね。
また、障害についてを詳しく事前に調べておくことができたり、資金を用意する期間にも猶予ができるでしょう。
出生前診断は誰もが受けられるというわけではありません。
しかし、高齢出産で染色体異常のリスクが高いと言われたり、過去に染色体異常のある赤ちゃんを授かった、出産した経験があるというような場合は、不安要素を減らすということで検査を受ける方もいます。
出生前診断に興味がある、検査したいと思った場合は、かかりつけの産婦人科医に相談してみましょう。
出生前診断における問題点!
出生前診断をうけることにより、問題点もやはりあります。
出生前診断の結果に応じ、人工妊娠中絶を選択する人が増えるのではないかという倫理的観点から問題点であるという声は少くありません。
更に、出生前診断を受けることによるパパママや周りの大人が心の準備ができるというメリットがある反面で、異常があるということが出生前に判明したことにより、悩み、不安が大きくなってしまうという問題点もありますね。
また、出生前診断を受け、異常が判明した場合でも、必ずしも生まれて来る赤ちゃんに異常があるとは限らないという問題点もあります。
検査を受けるか否かは問題点を把握し、それを踏まえて選択する必要がありますね。
出生前診断におけるリスクとは?
出生前診断を受けることにより、やはりリスクもあります。
確定的検査である絨毛検査、羊水検査などは、母体のお腹に針を刺しますよね。
そのため、母体と胎児の赤ちゃんへの負担がかかるというリスクは否めません。
日本産婦人科学会の産科ガイドラインだと、絨毛検査による流産のリスクは約1%あります。
羊水検査の場合の流産のリスクは約0,3~0,5%あります。
検査を受ける数週によってもリスクの可能性は異なり、どちらの検査にも流産のリスクはあると考えられますね。
また、検査の後に出血が起こったり、破水が起こったり、腹膜炎などの合併症が起こってしまうというリスクもあります。
まとめ
出生前診断についてはメリットもあれば問題点やリスクもあり、賛否両論がありますし、選択には慎重になりますね。
また検査方法もいくつかあります。
受けるかどうかについて選択する場合は、受けた後の結果を受け止めることができるかどうかも大切になってきますね。
ママ、パートナー、家族、医師と十分に話し合いを重ね、十分に考えた上で検討したいですね。