受精障害が不妊の原因?自然妊娠は可能?体外受精による確率や対処法!

不妊症の原因の一つとして、受精障害というものが挙げられます。
体外受精や顕微授精の過程で、受精障害と診断される事があります
卵子と精子が受精しなけえば妊娠は成立しませんね。
受精障害の場合、卵子と精子の受精が成立しないため、妊娠に至ることができません。
受精障害の原因や症状、受精障害でも自然妊娠することはできるのか、改善するための治療法などについて詳しくご紹介していきたいと思います。
目次
受精障害とは?
不妊の原因として受精障害と診断されることがあります。
受精障害は最初からわかるものではなく、不妊治療を続ける中で、体外受精や顕微授精などを行った際に診断されることが多いものです。
受精障害はどのようなものであり、どのような症状が起き、どのくらいの割合で起こってしまうものなのでしょうか。
受精障害
通常の受精の場合、膣内に入った精子は卵子のもとまで進み、数々の精子の中から一つだけが卵管膨大部で卵子と結合します。
卵子と精子が受精すると受精卵となりますね。
しかし、受精障害の場合、卵子に対する精子が十分な数進むのにも関わらず、卵子と精子の結合が成功せず、受精し受精卵になることができません。
受精障害は精子の機能障害により起こっている場合が多いと言われています。
卵子の法に機能的な問題があるとう場合もあります。
また、卵子にも精子にも原因があるという場合もありますね。。
受精できないのは精子と卵子の相性が悪いのではないかと思われることがありますが、卵子と精子の相性と受精障害などの不妊との関係に対する医学的な根拠はありません。
受精障害はいつわかる??
受精障害は体外受精や顕微授精を行い、はじめて明らかになるものです。
体外受精や顕微授精をしない限りわかりません。
自己流で妊活を頑張っていても、受精障害が起きていることに気づくことおができず、なかなか妊娠に至ることができないという状態が続いてしまうことがあります。
なかなか妊娠に至らない場合でも、受精障害なのかどうかを判断するのは困難となります。
受精障害が不妊の原因であると突き止められるまでには、かなり時間がかかりますし治療費もかかるでしょう。
体外受精で受精障害が発生する??
2004年9月に、日本産婦人科学会によると、1998年から5年間919件の治療があり、その中の124周期、13.5%は受精障害周期があったと報告されています。
919周期のうち体外受精は313周期で、受精障害は13.8%となっています。
初回と二回目に連続受精障害が認められたケースは40%です。
受精障害は繰り返されやすいということがわかりますね。
受精障害で受ける検査とは??
抗精子抗体検査
抗精子抗体検査とは、体内に抗精子抗体がある場合、妊娠ができない原因となってしまうため調べます。
抗精子抗体検査は男女ともに受けることができます。
女性の場合の検査は、体内に侵入した精子を異物と判断して反応した場合、精子に対して抗体ができてしまっているため受精ができません。
男性の場合は、精子と血液は接触しないようになっているもおんお、精巣や精巣上体に炎症が起きていると精子と血液が接してしまい、抗精子抗体ができてしまい不妊の原因となります。
不妊で悩む男性の約6%は抗精子抗体をもっています。
受精テスト
受精テストは体外受精と同じく、卵子を取り出し、直接精子を卵子にかけます。
その結果、受精ができるのか否かを確認します。
受精できなかった場合、受精卵が分割しなかったばあい、端子の精子がどこまで卵子に接近することができたのかをチェックします。
その後体外受精を行なうべきか、治療をすべきかが決まります。
受精障害が起こる原因とは??
受精障害が起こる原因には
- 精子に問題がある
- 卵子に問題がある
- 精子と卵子に問題がある
というこの3パターンに分けられます。
精子側に原因が
受精障害において精子側に原因がある場合は…
精子の機能的な問題により、卵子のからである透明帯にくっつくことができずに透明帯を 通過し受精することができないということが考えられます。
また、精子が透明帯を通過し卵子内に入ることができても、卵子を活性化させるための因子を放出することができない、または活性化因子を持っていないということもあります。
卵子側に原因が…
卵子の殻の部分となる透明帯が固い場合や厚いことが原因となり、精子が通過することができず卵子に近づくことができないということが考えられます。
また、卵子は通常精子が透明帯を通過すると、精子がもつ因子が卵子内に放出されるため、活性化することで受精ができるのに、何かしらの原因により活性化することができないということが挙げられます。
体外受精で採取した卵子が未熟で卵子自体に受精能力がないという場合もありますね。
受精障害の原因は複数あります。
複合的に受精障害になっている場合があるのですね。
受精障害の治療法や改善方法
精子と卵子が上手に受精することができないと受精障害と診断されますね。
では受精障害の場合、受精障害を 治すための治療法や改善方法はあるのでしょうか。
顕微授精
体外受精で受精障害が判明した場合、顕微授精に進む事が多くなります
卵子の殻の部分にある透明帯が固い場合、精子に透明帯を通過する力がない場合
透明帯を強制的に破り、人工的に卵子を精子に注入します。
卵子にも精子にも活性化するときの問題がなければ、受精できます。
日本化学学会でも、受精障害が確認されたらできるだけ早く顕微授精に進むことをすすめています。
卵子の活性化処理
卵子の活性化処理とは、卵子が活性化しないことで受精障害が起きているという場合に行なわれる治療法となります。
顕微授精により、卵子に精子を注入し、その後卵子をカルシウムイオノフォアという薬剤液に10分間つけます。
卵子の活性化をうながします。
また、卵子に電気刺激を与えることで活性化させる電気刺激法もあります。
電気刺激法の場合、33周忌で7件妊娠、そのうち6件は正常の分娩に至っています
卵子の活性化処理は顕微授精と併用されて行なわれます。
未成熟卵の体外成熟培養
体外受精や顕微授精では通常体内で成熟した卵子を使用します。
完熟卵を使用します
しかし、受精障害の場合、卵子が成熟していないことがあり、成熟した卵子を取り出すことができない場合があります。
成熟卵を採取できないという場合は、成熟前段階の未成熟卵を採取し、体外成熟培養が行なわれます
体外成熟培養の場合、ホルモン剤などを添加した培養液に卵子を1,2日浸け、体外で成熟させます。
体外成熟培養のあとは顕微授精が行なわれます。
排卵誘発方法の変更、採卵数の増加
排卵誘発方法を替えてみるという治療法もあります。
また、エコーなどを活用し、卵子を観察する回数を増やしたり、採集数を増やすということもあります。
受精障害があっても自然妊娠は可能??
受精障害があっても自然妊娠をする確率はゼロではありません。
受精障害は連続することが多いものの、連続しない場合もあります。
周期によっては自然に受精できることもあります。
しかし、受精能力のある卵子と精子が出会う確率は極めて低いため、妊娠成立までにかかる時間は長期に渡ると思っておいたほうがよいですね。
自然妊娠できる確率は、顕微授精などの医学処置と比べれば低くなるでしょう。
顕微授精をおこなった場合は、受精率は70%以上となります
顕微授精をすれば、5回に3回は受精卵ができるという計算があります。
その後受精卵を子宮に戻し妊娠が継続するか否かはまた別です。
まとめ
受精障害と診断された場合、医師とパートナーとともに治療方針をしっかりと決めることが大切です。
原因によって異なりますが、受精障害の治療により、妊娠できるようになるケースは少なくありません。
薬剤処理、電気刺激などに対して不安や抵抗があるという場合もありますが、生殖補助医療技術は妊娠したい人を応援してくれるものです。
受精障害を専門としている病院もあります
不安なや心配な点は医師によく尋ね、治療法を検討しましょう。