赤ちゃんの核黄疸とは?症状や原因、正しい対処法!

赤ちゃんの肌や目の白目の部分が黄色くなる黄疸というものがあります。
生まれたばかりの赤ちゃんの場合、ほとんど黄疸の症状が現れます。
未熟な赤ちゃんの生理的な現象の一つです。
ほとんどの場合は黄疸が自然消滅するのですが、中には黄疸がひどく悪化してしまうことがあります。
悪化した黄疸が核黄疸となります。
核黄疸の症状や原因、正しい対処法をご紹介していきますね。
目次
核黄疸とは?
黄疸は多くの新生児に見られる現象です。
核黄疸を知るためには、まずは黄疸の事を知る必要があります。
黄疸はほとんどの赤ちゃんに起こるもので、血液中にビリルビンというものが増加すると、肌の色や目の白目の部分が黄色くなります。
ビルビリンは古くなった赤血球が壊れるときに出る物質です。
肝臓で処理された後、体の外に排出されます。
赤ちゃんのお腹の中にいるとき、大人よりも赤ちゃんのほうが赤血球の数が多いです。
出産とともに一部の赤血球が赤ちゃんにとって必要なくなるため、多くの赤血球が壊れ、ビリルビンが大量に作られます。
赤ちゃん特有の赤血球にまつわる特徴もあるため、肝臓でのビリルビンの処理が追いつかず、黄疸の症状が起こります。
生理的な黄疸は新生児の頃に見られやすく、新生児黄疸と呼ばれています。
核黄疸はビリルビンが脳に流れ込む…
生理的な現象である黄疸、新生児黄疸は生後4日前後でピークを迎えます。
産院を退院する生後1週間後くらいには、徐々に黄疸が引くので心配ありません。
生理的な範囲のビリルビンによる黄疸は問題ありません。
血液中から脳へうつることなく、悪影響を及ぼすことはありません。
ところが、血中のビリルビンの濃度が急激に増えてしまうと、核黄疸という状態になってしまうリスクが高まるのです。
過度なビリルビンは脳細胞に悪影響を与え、核黄疸という病気に発展します。
新生児の横断の症状が悪化した場合、適切な治療を行い、核黄疸にならないように予防する必要があります。
核黄疸の原因とは?
核黄疸の原因についてです。
生理的な黄疸悪化
核黄疸の原因のひとつとして、新生児黄疸や生理的な黄疸が悪化したことにより起こります。
血中のビリルビン濃度が急激に上昇することにより、正常値を超え、高ビリルビン血症となり、注意が必要となります。
日本人を含むアジア人は遺伝的な背景により欧米の人よりも黄疸が強くなりやすい傾向もあります。
病気のせいで黄疸が強く出るのではなく、日本人の特有の体質的な問題で起こります。
溶血症・多血症
黄疸の原因が溶血症や多血症の場合もあります。
溶血は病気により赤血球が破壊されてしまい、ママと胎児の血液型不適合、赤血球そのものの異常により起こります。
多血症の場合は、赤血球が多くなる病気であり、その分壊れる赤血球も増えます。
壊れる赤血球が増えるということは、ビルビリンによる処理が間に合わなくなり、高ビリルビン血症となってしまいます。
肝機能異常
ビリルビンの代謝機能が低下してしまう肝臓の病気や先天性の代謝異常により、高ビリルビン血症が起こります。
肝機能が低下すると、ビリルビンの処理能力も低下し、高ビリルビン血症を引き起こし、黄疸が悪化し核黄疸になりやすくなります。
核黄疸のリスク因子
核黄疸のリスクを高める因子としては以下のものが挙げられます。
- 未熟児
- 溶血
- 代謝性アシドーシス
- 新生児菓子
- 低体温
- 低蛋白血症
- 呼吸ひっ追
- 薬剤
- 頭蓋内出血
- 感染症
赤ちゃんの核黄疸の症状
赤ちゃんの核黄疸の症状についてです。
発症から数日の症状
血液中のビリルビンが過剰に高いと、黄疸として診断されます。
黄疸を発症してから、2,3日感の間の症状としては、母乳の飲みが悪い、常に眠たそう、手足がぶらぶらしていて筋肉の緊張が低下する。
赤ちゃんがぐったりとしていて、元気がないような姿が見られます。
この段階で黄疸への治療を始めることで、後遺症が残るリスクを低下させます。
病的な黄疸を放置してしまうと…
病的な黄疸を放置し症状が悪化してしまうことがあります。
発症から3日間から1週間ほど経過してしまうと、発熱、甲高い泣き声、黒目が下まぶたに隠れる落陽現象、痙攣などの諸王状が起こります。
背中を反らせるような姿勢である後弓反張がみられることもあります。
急性期の症状が放置してしまうと、中には亡くなってしまうこともあります。
脳性麻痺、難聴などの後遺症が残ってしまうこともあるのです。
後遺症
核黄疸により後遺症が残ることがあります。
知的障害、脳性まひ、難聴などの後遺症がおこることがあります。
後遺症を残さないためには、黄疸の発症から2,3日のうちに気づく必要があります。
速やかに黄疸の治療を開始しましょう。
受診の目安は?!
核黄疸を発症させないためには、病的な黄疸に対する早期発見、早期治療が必要となります。
日本では多くの病院で出生してから数日間の間、黄疸のチェックが行なわれます。
出生直後から入院期間中は経皮的ビリルビン濃度測定法を用いたスクリーニング検査が行なわれます。
核黄疸を防ぐためにしてくれるのですね。
スクリーニング検査が陽性の場合は、黄疸の出現時期が早いなどの病的な黄疸が疑われる場合、血液検査による血清ビリルビン値が確認されます。
血清ビリルビン値が生理的な範囲を超える高値を示している場合は、黄疸の原因を特定する診察や検査が行なわれます。
しかし、退院により黄疸が増強してきてしまうことがあり、核黄疸が引き起こる場合もあります。
早期に治療介入することが大切であるため、肌の色が黄色っぽい、白目が黄色い、黄疸とともに発熱がある、ミルクや母乳の飲みが悪いというようなときは、早期病気に受診しましょう。
核黄疸への対処法
核黄疸の対処法についてです。
光線療法
核黄疸になってしまった場合、治療が難しくなります。
そのため、黄疸が悪化する前にビリルビン値を下げることで予防する必要があります。
ビリルビンの値を下げるためには、光線療法という治療法が有効です。
光線療法は新生児を裸にして強い光を当てます。
蛍光白色光などの強い光を当てることにより、ビリルビンはサイクロビリルビンに変化します。
水に溶ける性質に変え、胆汁の中に出します。
するとサイクロビリルビンは尿から体外に排出されます。
交換輸血
光線療法をおこなっても効果がみられない場合は、交換輸血が行なわれます。
交換輸血によりビリルビンが大量にある新生児の血液をゆっくりと体外に排出し、変わりに正常量のビリルビンを含む血液を赤ちゃんに輸血します。
動脈から血液を出し、同時に静脈に輸血します。
後遺症が残った場合
脳性麻痺の後遺症が残ってしまうことがあり、後遺症が残った場合は、早期診断により早期リハビリを始めることが大切です。
まとめ
核黄疸はビリルビン値が規定の範囲を超えた場合に起こります。
黄疸が悪化してしまい起こる場合と病的な場合があります。
しかし、早期に適切な治療を受けることで、核黄疸を悪化することができます。
日本の産院ではほとんどの場合、生まれてから退院するまでの間、病院でしっかりと検査を続けてもらうことができるのですが、退院後に黄疸が悪化してしまうこともあります。
黄疸がひどくなったように感じたり、発熱が見られた場合や母乳やミルクの飲みときなどは、早めに受診し診察を受けましょう。
核黄疸を防ぐためには、黄疸への早期発見早期治療が大切ですね。