妊娠中の高血圧は危険!?入院が必要な高血圧症候群の症状とは?

妊娠中は体に大きな変化が現れますよね。
色々な変化が起こる中で、妊娠高血圧症候群というものになる可能性があります。
妊娠中に起こるものであり、母体にも胎児にも悪影響となってしまうものです。
そこで今回は妊娠中の高血圧症候群について詳しくご紹介していきます。
原因や症状、治療法や予防法など詳しくお送りします。
目次
妊娠高血圧症候群って何!?
妊娠高血圧症候群は妊娠中に何らかの原因により高血圧となってしまいます。
また高血圧だけではなく尿蛋白が出るようにもなります。
一昔前までは妊娠高血圧症候群ではなく妊娠中毒症と呼ばれていたものです。
日本産婦人科学会の定義によると、妊娠20週以上、分娩後12週までに起こる症状を妊娠高血圧症候群とされています。
妊娠20週から32週の間で発症した場合は早発型となり、妊娠32週以降で発症した場合は遅発型と分けられます。
妊娠高血圧症候群は妊婦の約3~7割の発症率であり、重症化してしまった場合は母子も胎児も命を脅かされる危険性があるので注意が必要です。
妊娠高血圧症候群が発症する原因は?
妊娠高血圧症候群が発症してしまう原因というのは未だにはっきりと分かっていないのです。
一方で発症しやすくなる条件はあります。
- 年齢が15歳以下、40歳以上の場合
- 体重が肥満
- 高血圧や甲状腺機能障害、糖尿病などの持病がある
- 自分の母親が妊娠高血圧症候群になったという遺伝
- はじめての妊娠
- 多胎妊娠又は胞状奇胎の場合
上記の条件に当てはまる場合は妊娠高血圧症候群に対して十分に注意を向ける必要がありますね。
妊娠高血圧症候群の症状とは?
妊娠高血圧症候群の症状についてです。
症候群とつくだけあり、様々な症状がおこり、その総称が妊娠高血圧症候群となります。
妊娠高血圧症候群の症状としてはやはり【高血圧】が起こります。
高血圧が原因でめまいや頭痛が引き起こりやすくなります。
続いて【むくみ】の自覚症状が起こることも多いです。
しかし、むくみだけであれば妊婦さんの約30%の確率で見舞われるものであり、むくみだけでは妊娠高血圧症候群の症状であるかどうか判断できかねます。
【急激な体重増加】も妊娠高血圧症候群の症状である場合があります。
更に…妊娠高血圧よりも更に危険度が高い症状として、【妊娠高血圧腎症】という状態になることがります。
この場合高血圧に加え尿蛋白も出るようになってしまいます。
尿蛋白もでるという症状が更に進行してしまった場合、合併症を引き起こしてしまう可能性が高まり、ママや胎児への大きな負担となってしまいます。
痙攣がおこったり、子癇発作が起こり命に関わることになります。
また、脳や肺や腎臓や肝臓など全員の臓器に機能障害が引き起こってしまうこともあるのです。
このような重症化を防ぐために、妊婦健診では必ず尿検査が行われ、尿蛋白が出ているか否かを確認します。
早期発見のためにもしっかりと尿検査を受けましょう。
妊娠高血圧症候群になると胎児への影響は?
上記でも触れましたが、妊娠高血圧症候群は胎児に与える影響も大きいです。
妊娠高血圧腎症となってしまうと、胎盤が分娩の前に子宮の壁から剥がれてしまい大量出血を引き起こしてしまうことがあります。
常位胎盤早期剥離という状態ですね。
胎盤の機能がうまく行かなくなるため、赤ちゃんに送る酸素や栄養素が不足してしまう状態にもなります。
胎児の発達不全や胎児の機能不全を引き起こしてしまう原因となるのです。
最悪の場合、胎児は命を落としてしまうこともあります。
妊娠32週未満で妊娠高血圧症候群になる早発型の場合、胎児発育不全が起こりやすいです。
妊娠高血圧症候群になってしまったら…
では妊娠高血圧症候群を気をつけていたのにも関わらず、妊娠高血圧症候群になってしまった場合はどうしたら良いのでしょう。
治療方法をお送りします。
治療法としては主に
- 緊急帝王切開
- 分娩誘発
の2つにより
- すぐに分娩を行うか
- 妊娠を継続するか
という判断により治療法が決定します。
治療法を決める場合、判断の材料として3つのポイントがあるのです。
重症度
まずは重症度ですね。
妊娠高血圧症候群は高血圧や尿蛋白がでる程度によって、軽度なのか重度なのか判断されます。
重度である場合は入院が必要となりますが、軽度の場合は入院はせずに経過観察となります。
妊娠の数週
妊娠の数週も関係します。
妊娠高血圧症候群の診断された時に、胎児が十分に成熟している状態であれば、すぐに分娩という選択肢がとられます。
しかし、妊娠34週未満であり、胎児はまだお腹にいたほうが良いという場合は、妊娠の継続を検討されることとなり妊娠高血圧症候群への治療が行われます。
母体・胎児の状態
母体と胎児の状態も関係しますね。
母体の状態が悪化し合併症が起こってしまっていたり、胎児が機能不全を起こしてしまっていたりと、母子ともに命の危険にさらされている場合、妊娠の中断という選択肢が取られます。
妊娠高血圧症候群の治療法は薬?食事療法は?
妊娠高血圧症候群の治療法としては、まずは妊娠を中断して分娩を行うというのが第一となります。
しかし、妊娠34週未満で赤ちゃんがまだ未熟であると判断された場合は妊娠の継続をして分娩できるタイミングを図るということになります。
軽度な場合は
高血圧や尿蛋白により妊娠高血圧症候群と診断されたものの、軽度であるという場合は、自宅で安静に過ごし、ストレスを溜めずに、食事療法が行われます。
高血圧の原因となる食事は避け、塩分の摂取量は1日7、8gと制限します。
また、食事内容もBMI指数に合うカロリーの食事に制限し3食摂ることになります。
食事療法とともに、血圧を抑える薬、子癇発作を予防する薬などが投与されることもありますよ。
この治療法で症状が落ち着けば通常通りの分娩となり、危険にさらされてしまう状況となってしまった場合は帝王切開や分娩誘発となります。
重度の場合は…
妊娠高血圧症候群で重度であると診断された場合は、入院が必要となります。
入院管理により食事療法と薬物療法の2つが行われ、慎重に治療が行われます。
重度の場合は32週から34週を過ぎたら分娩をするべきとされてますが、32週未満であっても母体に危険が及ぶと判断された場合は分娩が行われます。
万が一の場合、症状が進行したときにどうするかは医師とママとパパで事前によく相談して決めて起きましょう。
妊娠高血圧症候群の予防法は?
妊娠高血圧症候群の原因ははっきりとわかっていません。
原因がわからないのではっきりとした予防法、確実な予防法は存在していないのです。
しかし、肥満や高血圧は妊娠高血圧症候群を引き起こす要因であると考えられることから、普段から体重管理、食事、規則正しい生活を心がけることが予防法の1つとなりますね。
ストレスも大敵です。
十分なバランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動で体を管理しましょう。
また、急激な体重増加やめまいや頭痛がひどいという場合は早めにかかりつけの産婦人科に受診し医師に相談しましょう。
まとめ
妊娠高血圧症候群は原因は不明でいつ発症してしまうかわかりません。
そして母子ともに命の危険にさらされることとなる原因にもなるものなので、早期発見早期対処がとても大切です。
早期発見のためにも、妊婦健診はしっかりと受けましょう。